八重洲ブックセンター

株式会社八重洲ブックセンター：書籍の宝庫と進化を続ける書店チェーン

株式会社八重洲ブックセンターは、鹿島建設グループに属する、首都圏を中心に店舗を展開する日本の大手書店チェーンです。その歴史は、鹿島建設社長の遺志を継ぎ、八重洲に世界一の売り場面積を誇る書店を建設しようという壮大な計画から始まりました。

当初は20万点、展示冊数40万冊という圧倒的な規模を構想していましたが、業界団体からの反対を受け、規模を縮小。それでも1978年9月18日、日本最大級の書店として開業し、開店から1年間で約1000万人の入店者数、約500万冊の売上を記録するなど、大きな成功を収めました。

八重洲ブックセンターの特徴は、その膨大な在庫量にあります。一般的な書店とは異なり、買取仕入れを主体とすることで、常時120万冊とも言われる在庫を確保。あらゆるジャンルの書籍を幅広く取り揃えることを可能にしています。

八重洲本店：揺るぎない存在感と変化への対応

八重洲本店は、同社の旗艦店舗であり、会社名および書店名の由来となっています。都内有数の大型書店として、大型書店ブームの先駆け的な存在感を誇ります。

土地柄、ビジネスマンの利用が多いことから、ビジネス書の在庫数は国内随一を誇り、ベストセラーランキングの上位もビジネス書が占める傾向にあります。かつては、周辺のオフィスが休業する日曜日も休業していましたが、近年は営業日を拡大しています。

ビジネス書関連の講演会やサイン会などのイベントも頻繁に開催され、パソコン関連、専門書、文芸書なども充実しています。また、観光客も多く利用することから、旅行ガイドの在庫も豊富です。

近年は家族連れや外国人観光客の増加に対応し、2016年には文芸書の売り場を1階から5階へ、2017年には旅行ガイドと雑誌の売り場を1階に移設するなど、積極的な店舗改装を行っています。

2023年2月には、本店ビルが再開発計画の対象となったため、本部事務所を神田須田町に移転、本店は一時閉店しました。新本店は、2028年度完成予定の43階建て複合ビルへの入居を予定しており、それまでは仮営業店舗として、東京駅構内のグランスタ八重洲に出店しています。

多様なサービスと店舗展開

八重洲ブックセンターでは、電子マネー（QUICPay、Edy、Suica）が利用可能です。一部店舗では、提携する商業施設のポイントカードとの連携など、顧客サービスの充実にも力を入れています。2016年10月には独自のポイントカードを導入し、顧客満足度の向上を目指しています。

2016年には、トーハンが鹿島建設グループから発行済株式の49％を取得し、トーハンの山崎厚男元会長が社長に就任。トーハンの経営参画により、さらなる業績改善が期待されています。

店舗ネットワークと変遷

八重洲ブックセンターは、首都圏を中心に複数の店舗を展開しています。イトーヨーカドーやルミネなどの商業施設への出店や、駅ビル内への出店など、立地戦略も多様化しています。一方、時代の変化に伴い、閉店する店舗も出ています。近年は、閉店した店舗の跡地を他社が引き継ぐケースも出てきており、その変遷も注目されます。

八重洲ブックセンターは、常に変化する市場環境に対応しながら、その存在感を維持し続けています。今後も、顧客ニーズに対応したサービス提供や、新たな店舗展開を通じて、書籍文化の発展に貢献していくことが期待されます。

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