副産物

副産物とは

副産物とは、ある製品（主産物）を製造する過程で、必然的に生成される物品のことを指します。英語では「by-product」と呼ばれます。主産物との区別は、企業会計における慣習に基づいて行われますが、一般的には、価値が高い方が主産物、低い方が副産物とされます。しかし、需要の変化によって、主産物と副産物の関係が逆転することもあります。

もともと廃棄物として扱われていたものが、新たな用途開発によって価値を持ち、副産物となるケースも存在します。また、副産物は必ずしも商品として市場に出回るわけではなく、自家消費されることもあります。

市場への影響

副産物が市場に供給される場合、その供給量は主産物の生産量に左右されるため、需要と供給のバランスが崩れやすくなります。需要を大幅に上回る供給が行われると市場価格が暴落し、逆に供給が少ない場合は価格が高騰する可能性があります。

第二次世界大戦後の日本では、石油エネルギーの普及に伴い、石油由来の硫黄が燃焼して大気汚染を引き起こしました。対策として脱硫が行われるようになりましたが、脱硫によって大量に生成された副産物である硫黄が市場に供給された結果、硫黄鉱山は経営が成り立たなくなり、1973年までに全て閉鎖されました。

また、2018年にはイギリスで、肥料用アンモニアを製造する工場が停止したことにより、副産物である二酸化炭素の生産もストップし、ビールや清涼飲料水の生産販売に支障が出たという事例も存在します。このように、副産物の生産停止が、他の産業に影響を及ぼすこともあります。

作業屑・仕損品との違い

副産物と類似する概念として、作業屑や仕損品があります。これらは、価値がある場合でも、副産物とは区別されます。

作業屑：加工時に発生する端切れや粉などのことで、おがくず、屑肉、野菜くずなどが該当します。
仕損品：会計用語で、不良品を意味します。

これらのように、副産物とは、生産活動における副次的な産物として捉えることができます。

副産物の例

製油所における硫黄
製鉄所におけるスラグ
食品加工における魚粉
バイオエタノール製造における飼料

出典

Ogata Investment 株式会社 経営者の為の用語集 副産物

関連項目

建設副産物
主産物
* 廃棄物

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