加茂郷駅

加茂郷駅：歴史と地域に根付く紀勢本線の中間駅

和歌山県海南市下津町黒田に位置する加茂郷駅は、西日本旅客鉄道（JR西日本）紀勢本線（きのくに線）の駅です。下津町の中心部に近い立地から、古くから地域住民に利用されてきました。駅舎は歴史を感じさせる佇まいを保ちつつ、現代的な設備も整えられています。

歴史を刻む駅舎

加茂郷駅が開業したのは1924年（大正13年）2月28日、鉄道省紀勢西線の駅としてでした。その後、1959年（昭和34年）7月15日の紀勢本線全通に伴い、同線所属となります。長い歴史の中で、1984年には貨物取扱、1985年には荷物扱いが廃止されました。国鉄分割民営化後の1987年4月1日からは、JR西日本の駅として運営されています。近年では、2020年3月14日にICカード『ICOCA』の利用が可能となり、利便性が向上しました。一方で、2021年3月12日には窓口営業が終了、翌13日からは無人駅となっています。

駅構造と利用状況

和歌山駅が管理する無人駅である加茂郷駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の、合計2面3線のホームを持つ地上駅です。中間待避線構造となっており、単式ホーム側にある駅舎と島式ホームは跨線橋で結ばれています。駅舎内には券売機が設置されています。

日々の利用状況は変動しますが、近年の1日平均乗車人員は一定数を維持しています。これは、駅周辺の生活圏の人口や、アクセスする公共交通機関との連携など、地域全体の状況を反映していると言えるでしょう。

駅周辺の環境

加茂郷駅周辺は、生活に密着した施設が充実しています。海南市下津行政局（旧下津町役場）をはじめ、国道42号、海南市立下津第二中学校、海南市立海南下津高等学校といった教育機関、加茂郷郵便局、紀陽銀行加茂郷支店などが近隣に存在します。また、海南市コミュニティバスの停留所「加茂郷駅前」も設置されており、公共交通機関のアクセスも良好です。

列車運行について

加茂郷駅に停車する列車は、快速と普通列車があります。快速列車は、箕島駅と海南駅を結ぶ経路で加茂郷駅に停車します。普通列車は、下津駅と冷水浦駅を結ぶ経路で当駅に停車します。なお、島式ホームの2番線は待避線として設計されていますが、現在では線路保守目的での停車が中心となっています。

未来に向けて

無人駅となった加茂郷駅ですが、その歴史と地域への貢献は今後も変わりません。近隣住民の生活を支える重要な交通拠点として、そして地域の歴史を伝える存在として、加茂郷駅はこれからもその役割を担い続けるでしょう。駅周辺の開発や公共交通機関との連携強化などが進めば、さらなる利便性向上も期待できます。

隣の駅

西日本旅客鉄道（JR西日本）きのくに線（紀勢本線）
快速：箕島駅 - 加茂郷駅 - 海南駅
* 普通：下津駅 - 加茂郷駅 - 冷水浦駅

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