勅使川原三郎

勅使川原三郎について

勅使川原三郎（てしがわら さぶろう）さんは、1953年9月15日生まれの東京都出身のダンサー、振付家、演出家、俳優であり、現在は多摩美術大学の教授として活躍されています。これまでに数多くの舞台・作品を手掛け、特にコンテンポラリー・ダンスの分野で強い影響力を持っています。

経歴の歩み

勅使川原さんは、1981年から独自の創作活動をスタートし、パントマイムやクラシックバレエ、彫塑といったさまざまな技術を修得してきました。その後、1985年には宮田佳さんとともにコンテンポラリー・ダンスのカンパニー「KARAS」を設立し、ここから本格的に自身の作品作りに取り組み始めました。

その後、学術的な糧を得る中で、2006年には立教大学の現代心理学部映像身体学科の教授に就任し、2014年からは多摩美術大学美術学部演劇舞踊デザイン学科の教授に就任しています。さらに、2019年には愛知県芸術劇場のアドバイザー、2020年には同劇場の芸術監督に就任しました。

代表作と受賞歴

勅使川原氏のダンス作品の中で特に評判を呼んだものに、「月は水銀」「青い隕石」「石の花」「メランコリア」などがあります。また、近年では「NOIJECT」や「I was Real-Documents」、「Absolute Zero」なども話題を集めました。

国際的には、パリ・オペラ座バレエやネザーランド・ダンス・シアターなどから振付けの依頼を受け、作品のクオリティが高く評価される中、2006年にはフランス芸術文化勲章のオフィシエを受章しています。2022年には、ヴェネツィア・ビエンナーレのダンス部門にて金獅子功労賞を受賞することが発表され、これにより国際的な認知度がさらに高まっています。

受賞歴においては、1986年の「風の尖端」でのバニョレ国際振付コンクール準優勝及び特別賞、1988年の日本舞踏批評家協会賞、2001年のニムラ舞踊賞、2002年の朝日舞台芸術賞など、数多くの賞を受け取っており、特に2006年には「ガラスノ牙」により芸術選奨文部科学大臣賞、2009年には紫綬褒章を受章しています。さらに、2017年にはフランス芸術文化勲章オフィシエ、2022年には文化功労者に選ばれました。

出版物と出演作

彼の著作としては、1989年に出版した「青い隕石 BLUE METEORITE」（求龍堂）、1994年には「骨と空気」（白水社）があり、また、映像作品にも参加しています。特に「五条霊戦記 GOJOE」（2000年）や「レオニー」（2011年）などの映像作品にはその芸術性が光っています。

勅使川原三郎さんは、ダンス界だけでなく、映像や舞台芸術全般にわたって多大な貢献をしており、今後のさらなる活躍が期待されています。

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