北日ノ出駅

北日ノ出駅：旭川市東旭川町日ノ出の面影

北日ノ出駅は、北海道旭川市東旭川町日ノ出に存在した、北海道旅客鉄道（JR北海道）石北本線の駅です。2021年3月13日、利用者減少とダイヤ改正を理由に廃止されました。駅番号はA33でした。

歴史

北日ノ出駅の起源は1960年5月2日に遡ります。日本国有鉄道石北線の仮乗降場として開業、旅客のみを取り扱うシンプルな駅でした。「北日ノ出仮乗降場」として出発した駅は、1961年4月1日には所属路線が石北本線に改称。その後、1987年4月1日の国鉄分割民営化に伴いJR北海道に継承され、正式に「北日ノ出駅」として旅客駅に昇格しました。営業キロの設定は1990年3月10日に行われています。しかし、長きに渡る運行の後、利用客の減少が深刻化。2021年3月13日、歴史に幕を閉じました。

駅名の由来

駅名は、所在地である「日ノ出」の北部にあることに由来しています。シンプルで分かりやすい地名を踏襲した駅名と言えるでしょう。かつては「北日の出」と表記されていましたが、後に現在の「北日ノ出」に修正されました。

駅構造

北日ノ出駅は地上駅で、単式ホーム1面1線を有する簡素な構造でした。ブロック造りの待合室があり、乗客はそこで列車の到着を待つことができました。待合室や駅名標には、かつて「北日の出」の表記が用いられていましたが、2006年6月には「北日ノ出」に改められました。これはひらがなの「の」の一部を修正しただけの変更でした。その後、駅名標は新しいものに交換されています。トイレは設置されておらず、旭川駅管理の無人駅でした。自動券売機も設置されていませんでした。

利用状況

廃止直前までの乗車人員は年々減少傾向にありました。正確なデータは残されていませんが、年間の乗車人員が減少の一途を辿り、最終的には廃止という判断に至ったと考えられます。公共交通機関の利用状況を反映した結果と言えるでしょう。

駅周辺

北日ノ出駅周辺には、旭川工業団地がありました。また、旭川市旭山動物園への最寄駅という立地条件も有していました。しかし、停車本数の少なさやバスなどの公共交通機関の未整備により、動物園へのアクセス駅としての機能は十分に果たせていませんでした。そのため、旭川駅からバスを利用する方が一般的でした。

隣の駅

北日ノ出駅の隣接駅は以下の通りです。

北海道旅客鉄道（JR北海道）石北本線
東旭川駅 - 北日ノ出駅 - 桜岡駅

廃止の背景

北日ノ出駅の廃止は、長期間にわたる利用客の減少が大きな要因です。旭山動物園へのアクセス駅としての期待もありましたが、バスなどの代替交通手段の利用が一般的であったこと、停車本数の少なさなどが利用客減少につながったと考えられます。ダイヤ改正も廃止決定に影響を与えた要因の一つと言えるでしょう。

まとめ

北日ノ出駅は、その簡素な構造と利用客の減少という現実を反映した形で、歴史の幕を閉じました。かつてこの地に存在した駅は、地域の変遷と公共交通のあり方を示す一つの事例として、記憶に留められるべきでしょう。 周辺環境や歴史的背景を理解することで、北日ノ出駅の存在意義と廃止の必然性をより深く理解することができるでしょう。

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