北海道四季劇場

北海道四季劇場から東1丁目劇場施設へ：歴史と変遷

札幌市中央区大通東1丁目に位置する東1丁目劇場施設は、かつて劇団四季が運営していた「北海道四季劇場」を起源とする劇場です。劇団四季は、1991年に「キャッツ・シアター」、1993年には「JRシアター」を札幌に開設し、北海道での活動を展開してきました。特にJRシアターは、全国初の劇団四季専用劇場として大きな役割を果たしました。しかし、札幌駅の再開発に伴い1999年に閉館。その後、11年の時を経て2011年1月8日、劇団四季は新たな専用劇場として「北海道四季劇場」を開設しました。994席を擁し、同劇団の専用劇場としては初めてワンフロア設計を採用したこの劇場は、開場記念芸術祭『エビータ』で幕を開けました。

北海道四季劇場は、竹中工務店が施工し、同社が土地を所有していました。当初は2016年までの5年間の契約でしたが、2度延長され、2020年3月15日、土地契約の終了に伴い閉鎖される予定でした。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で公演が中止となり、2月26日の公演が最後の公演となりました。

閉鎖後、当初は劇場を原状復帰させる予定でしたが、札幌コンサートホールKitaraの大規模改修に伴う代替施設として活用するため、札幌市が2020年4月1日に無償譲渡を受けました。その後、「新文化芸術施設」として改修工事が行われ、市民の文化芸術活動などに活用される計画でしたが、運営事業者の応募がなかったため、2021年10月からは「東1丁目劇場施設」として運営されることになりました。ステージ用音響・照明設備は常設されず、使用者が持ち込む形となり、稽古場としての活用も行われています。

2024年1月30日、札幌市は東1丁目劇場施設を2025年3月末で閉館すると発表しました。劇団四季は北海道からの撤退を否定し、今後の公演スタイルについて地元と相談しながら検討していくとしています。吉田智誉樹社長は、北海道四季劇場の入場率が低水準であったことなどを閉館の理由として挙げており、閉館後は北海道内で数カ月間のロングラン公演を行う計画を示唆していました。実際、2023年には「リトル・マーメイド」を再演しています。

北海道四季劇場（東1丁目劇場施設）の概要

所在地: 札幌市中央区大通東1丁目

構造: 地下1階地上2階建鉄骨造

竣工日: 2010年11月30日

延床面積: 3,011.93㎡

客席数: 941席（2023年8月現在）

設備: 楽屋6室、発声室1室、リハーサル室1室

アクセス: JR札幌駅より徒歩15分、札幌市営地下鉄各線より徒歩2～13分、中央バス札幌ターミナルすぐ、札幌駅北口からシャトルバス運行

上演作品 (主なもの): 『エビータ』、『赤毛のアン』、『ライオンキング』、『マンマ・ミーア!』、『美女と野獣』、『オペラ座の怪人』、『キャッツ』、『ウィキッド』、『サウンド・オブ・ミュージック』、『リトル・マーメイド』など。

北海道四季劇場は、多くのミュージカル作品を上演し、札幌の文化・芸術シーンに貢献しました。東1丁目劇場施設としての活用を経て、その歴史に幕を閉じようとしていますが、劇団四季は北海道での活動を継続していく意向を示しており、今後の展開が注目されます。

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