北海道大学附属図書館

北海道大学附属図書館

北海道大学附属図書館は、札幌市北区に位置する北海道大学の図書館です。本館に加え、北図書館についても解説します。

概要

1876年の開学以来、140年以上の歴史を持つ北海道大学附属図書館は、「フロンティア精神」「国際性の涵養」「全人教育」「実学の重視」の4つの基本理念に基づき、学術情報の集積・提供・発信という重要な役割を担っています。学内外を問わず利用可能で、特に文系学部との連携が強く、学生の学習・研究活動を支える拠点となっています。

収蔵資料の特徴

北海道大学附属図書館は、北方関係資料、札幌農学校文庫、内村鑑三・新渡戸稲造・宮部金吾らの個人文庫など、貴重なコレクションを所蔵しています。

北方関係資料: 北海道のみならず、北太平洋、北ユーラシアに及ぶ地域に関する資料を包括的に収集。
札幌農学校文庫: 札幌農学校の蔵書を受け継いだ貴重な資料群。
個人文庫: 札幌農学校出身者の蔵書。

これらの資料は閲覧のみ可能で貸出はできませんが、一部を除き複写利用が可能です。特に「カラフトナヨロ惣乙名文書（ヤエンコロアイヌ文書）」は、2019年に国の重要文化財に指定されました。また、宮澤・レーン事件で知られるハロルド・レーンの個人文庫は、北図書館で閲覧できます。

沿革

1876年: 札幌農学校開校とともに書籍室が設置（蔵書数6,149冊）。
1891年: 新渡戸稲造が書籍館主任（初代館長）に就任。
1907年: 東北帝国大学農科大学図書館と改称。
1918年: 北海道帝国大学図書館となる。
1922年: 北海道帝国大学附属図書館と改称。
1947年: 北海道大学附属図書館と改称。
1965年: 図書館の新営工事が完了。
1967年: 北方資料室を設置。
1986年: オンライン蔵書検索を導入。
1995年: ホームページ開設。
2002年: 学外利用者への館外貸出を開始。
2006年: 北海道大学学術成果コレクション（HUSCAP）の運用開始。
2011年: 本館南棟が完成、自動化書庫を設置。
2015年: 北図書館西棟が完成。
2019年: 「ヤエンコロアイヌ文書」が国の重要文化財に指定。

北図書館

北図書館は、1963年に教養部内に設置された分室が起源です。1969年に教養分館として独立し、1995年に北分館、2009年に北図書館と改称されました。2015年には西棟が完成し、より充実した施設となっています。

旧札幌農学校図書館読書室

1876年12月に設置された「書籍庫」が、独立の建物を有する図書館の起源です。1902年に札幌区北8条西6丁目に移転し、1965年に現在の中央図書館が完成するまで、全学の中央図書館として機能しました。現在は北海道大学出版会が使用しています。

キャラクター

附属図書館の公式キャラクターは、双子のエゾリス「ほのか」と「うらら」です。1996年にキャンパスに放たれたエゾリスの子孫という設定で、「H」と「U」の文字がそれぞれのお腹に描かれています。「ほのか」はしっかり者でエンレイソウのブローチ、「うらら」はうっかり者でクルミとドングリのポシェットをつけています。

北海道大学附属図書館は、貴重な資料の宝庫であるとともに、学生や研究者を支援する重要な施設です。歴史と伝統を受け継ぎながら、常に進化を続けています。

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