北細野駅

北細野駅：大糸線の歴史を刻む小さな駅

北安曇郡松川村赤芝地区に位置する北細野駅は、東日本旅客鉄道（JR東日本）大糸線に属する地上駅です。駅番号は28番。周囲は住宅街が広がり、静かな山里の風景の中に溶け込むように存在しています。単式ホーム1面1線というシンプルな構造で、無人駅ながらも、地域住民にとって重要な交通の要衝となっています。

歴史：信濃鉄道からJRへ

北細野駅の歴史は、昭和5年（1930年）10月28日に信濃鉄道の駅として開業したことに始まります。当時の駅名は「おかめ前駅」。駅周辺に鎮座する鈿女神社（うずめじんじゃ）の別名「おかめ様」に由来する、地元に密着した愛称でした。旅客のみの営業でスタートした駅は、昭和12年（1937年）6月1日、信濃鉄道の国有化に伴い現在の「北細野駅」に改称されました。その後、昭和32年（1957年）8月15日には、中土駅から小滝駅間の開通により大糸線の一部となり、現在に至ります。昭和62年（1987年）4月1日の国鉄分割民営化を経て、JR東日本の駅となりました。長い歴史の中で、地域住民の生活を支え続けてきた駅と言えるでしょう。

駅舎と周辺環境：静かな山里の駅

木造のシンプルな待合室を備えた北細野駅は、信濃大町駅の管理下にあり無人駅として運営されています。駅周辺は住宅地が広がり、生活に密着した駅であることがわかります。西側には、開業当時の駅名に由来する鈿女神社（うずめじんじゃ）が鎮座し、地域住民の信仰を集めています。「おかめ様」として親しまれるこの神社は、駅の歴史と深く関わっていると言えるでしょう。駅周辺には、細野簡易郵便局や細野団地などの施設があり、生活に必要なインフラも整備されています。高瀬川や国道147号、乳川といった地理的要素も、駅の周囲の環境を特徴づけています。

利用状況：地域に根付く利用

近年、北細野駅の1日平均乗車人員は、130名～135名程度で推移しています（長野県統計書による）。これは、決して高い数字ではありませんが、周辺住民の生活における公共交通機関としての役割を担っていることを示しています。年間を通して、安定した利用者数を維持している点は、地域社会における駅の重要性を物語っています。

隣の駅

北細野駅は、大糸線の細野駅と信濃松川駅の中間に位置しています。快速列車は通過しますが、普通列車は全列車停車します。

上り方面: 細野駅
下り方面: 信濃松川駅

まとめ：地域に密着した小さな駅

北細野駅は、大糸線の歴史を刻み、地域住民の生活に寄り添ってきた小さな駅です。開業以来、幾多の変遷を経て現在も営業を続けており、その存在は、地域社会の繋がりを象徴していると言えます。静かな山里の風景の中に溶け込むように佇む駅舎は、これからも地域住民の大切な交通手段として、その役割を果たし続けることでしょう。

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