南草津駅

南草津駅：滋賀県を代表する乗降客数の多い駅

南草津駅は、滋賀県草津市野路一丁目に位置する西日本旅客鉄道（JR西日本）東海道本線の駅です。駅番号はJR-A25、愛称は「琵琶湖線」で、略称として「ミナクサ」も用いられています。総事業費約30億円をかけ、草津市の多大な負担によって1994年9月4日に開業しました。

開業までの道のり：南部新都心構想から始まった駅建設

南草津駅の建設は、1970年代後半に草津市が提唱した「南部新都心」構想から始まりました。草津駅と瀬田駅の中間地点に新駅を建設し、周辺地域を開発するという計画です。高度経済成長期に周辺地域に工場が立地する一方、駅周辺は森林地帯であったことから、新駅建設は地域活性化の鍵となりました。

1980年代には、地元住民や企業による期成同盟会が結成され、新駅建設に向けた活動が本格化。1990年には立命館大学びわこ・くさつキャンパス（BKC）の進出が決定し、更なる弾みがつきました。市民による募金活動も展開され、駅建設費用の一部を賄うなど、地域全体で駅建設を後押しするムードが醸成されました。

駅名については、「野路駅」や「野路立命館」案も出されましたが、最終的には「南草津駅」に決定。これは、地元自治会の要望や、周辺地域開発の将来性を考慮した結果です。

開業後：予想を上回る利用者増加と発展

1994年の開業以来、南草津駅の利用者数は急増しました。特に、立命館大学BKCの開学は、学生を中心とした利用者増加に大きく貢献しました。2011年には新快速の停車駅となり、利便性が向上。2014年度には滋賀県内で最も乗車人員の多い駅となりました。さらに2021年からは特急「はるか」・「らくラクびわこ」も停車するようになり、更なる発展を遂げています。ただし、2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響で利用者数は減少、県内2位に後退しました。

駅構造とバリアフリー対応

南草津駅は、島式ホーム2面4線の地上駅です。橋上駅舎を持ち、東西両側に駅前広場を設けています。バリアフリーにも配慮されており、エレベーターやエスカレーターが複数設置され、改札やホームへのアクセスが容易です。開業当初から冷暖房付きの待合室も設置され、快適な駅環境が整備されています。

駅周辺の開発と課題

駅周辺は、住宅地や商業施設が密集し、学生街としての側面も持ちます。立命館大学BKCの学生の約35%が下宿していることから、学生向けの商業施設も多いのが特徴です。一方、人口増加による交通渋滞や防犯対策、自転車の駐輪問題など、課題も存在します。草津市は、これらの問題解決に積極的に取り組んでいます。西口は東口の学生街とは異なり、落ち着いた街並みとなっており、近年はマンション建設が進んでおり、金融機関も増加しています。

交通アクセスと周辺施設

南草津駅には、近江鉄道と帝産湖南交通のバス路線が乗り入れています。立命館大学へのアクセスを向上させるため、連節バス「JOINT LINER」も運行されています。また、西口には草津市が運行する「まめバス」も乗り入れています。

まとめ

南草津駅は、立命館大学BKCの開学を契機に発展した、滋賀県を代表する駅です。高い利用者数と、駅周辺の開発状況から、地域経済の活性化に大きく貢献していると言えるでしょう。今後も、地域の交通拠点として、さらなる発展が期待されます。今後の課題としては、人口増加に伴う交通渋滞や防犯対策、さらに、駅周辺のさらなる魅力向上などが挙げられます。

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