古今亭志ん駒

古今亭志ん駒

古今亭志ん駒（ここんてい しんこま、1937年1月2日 - 2018年1月18日）は、昭和から平成にかけて活躍した落語家です。本名を徳永一夫といい、埼玉県川口市で生まれました。落語協会に所属し、出囃子は『越後獅子』を用いていました。

生涯

志ん駒は、海上自衛隊での勤務を経て、1963年7月に五代目古今亭志ん生に入門しました。志ん生最後の弟子となり、前座名として「志ん駒」を名乗ります。1967年3月には二ツ目に昇進し、柳家小ゑんと共に腕を磨きました。しかし、1973年9月に師匠である志ん生が亡くなったため、十代目金原亭馬生一門に移籍します。

1976年3月には真打に昇進し、落語家として円熟期を迎えます。1978年5月、落語協会分裂騒動が起こると、師の馬生ではなく、馬生の実弟である三代目古今亭志ん朝を慕い、落語三遊協会に参加。しかし、この移籍は実現せず、落語協会に戻った後は志ん朝一門となりました。

2001年には落語協会理事付役員に就任し、2006年には理事に昇進。落語界の発展に尽力しました。2010年に理事職を退任した後は、高座に上がることはありませんでした。2018年1月18日、心筋梗塞のため東京都内の病院で逝去。享年81歳でした。

芸歴

1963年7月：五代目古今亭志ん生に入門、「志ん駒」を名乗る
1967年：二ツ目昇進
1973年9月：十代目金原亭馬生一門に移籍
1976年：真打昇進
1978年5月：三代目古今亭志ん朝門下へ移籍
2018年1月：死去

役職

2001年：落語協会理事付役員に就任
2006年：落語協会理事に就任
2010年：理事職を退任

人物

志ん駒は、海上自衛隊出身という異色の経歴の持ち主でした。演出家・俳優の蜷川幸雄とは同じ川口市出身で、同郷の後輩にあたります。また、五代目志ん生に入門した最後の弟子としても知られています。志ん生没後、その息子の十代目金原亭馬生、そして三代目古今亭志ん朝と師を替え、落語界で独自の道を歩みました。

落語家としての活動以外にも、アニメの吹き替えや時代劇『大江戸捜査網』の「早耳金太」役を務めるなど、役者としても幅広く活躍しました。特に『大江戸捜査網』で共演した杉良太郎からの信頼は厚く、志ん駒が若手落語家の苦境を語ったことがきっかけで、杉が自宅で「杉友寄席」を開催し、落語界の活性化に貢献しました。志ん駒の没後、杉は「志ん駒師匠を偲ぶ会」を開き、その功績を称えています。

また、三遊亭歌司、三遊亭圓丈、柳家さん遊、柳家小団治、柳家さん八、三遊亭圓龍、むかし家今松、古今亭志ん五、金原亭馬の助、橘家竹蔵、柳家小袁治らと共に同期会「落友舎」を結成し、親睦を深めていました。

逸話

浅草演芸ホールの主任を務めていた際、「おあと大勢でございます」と洒落を飛ばしたという逸話が残っています。また、同じ川口市立南中学校の後輩である柳家かゑるには「志ん駒師匠」と呼ばせず「志ん駒先輩」と呼ばせていたそうです。

受賞歴

1974年：NHK新人演芸コンクール落語部門最優秀賞
1975年：フジサンケイグループホープ賞

弟子

古今亭駒次 - 志ん駒死後、六代目古今亭志ん橋門下へ

著書

『志ん生最後の弟子 ヨイショ志ん駒一代』（うなぎ書房、2002年）

出演歴

映画、テレビドラマ、アニメ吹き替えなど、多岐にわたる分野で活躍しました。

脚注

落語協会公式プロフィール を参照。

外部リンク

古今亭志ん駒 - 落語協会

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