古川駅

古川駅：東北新幹線と在来線を繋ぐ、大崎市の交通の要所

宮城県大崎市に位置するJR古川駅は、東北新幹線と陸羽東線が接続する重要な交通拠点です。1913年、陸羽東線の一部区間が開通した際に開業しました。当初は「古川駅」でしたが、茨城県古河市の駅と駅名が酷似していたため、誤配達が多発。そのため、1915年には「陸前古川駅」に改称されました。その後、東北新幹線の建設に伴い、1980年に現在の場所に駅舎が移転、駅名も「古川駅」に戻されました。そして1982年、東北新幹線が開業し、古川駅は新幹線停車駅となりました。

開業から現代まで：歴史の軌跡

古川駅の開業は、大正時代まで遡ります。13名の運輸担当職員と7名の保線担当職員、そして赤帽1名、売店1店舗という体制で営業を開始しました。しかし、駅名紛らわしさによる荷物の誤配達という問題に直面し、改称の議論が巻き起こりました。最終的に「陸前古川駅」となり、新幹線開業と共に現在の駅名に戻されたという経緯は興味深いエピソードと言えるでしょう。

新幹線駅の選定過程では、古川駅、北浦駅、小牛田駅の3案が検討され、最終的に古川市が行政・交通の中心であるという理由から古川駅が選ばれました。建設においては用地買収やルート変更などの困難を克服して、現在の駅が実現しました。

駅構造：新幹線と在来線の融合

東北新幹線と陸羽東線の線路は直角に交差しており、陸羽東線は地上駅、東北新幹線は高架駅という構造になっています。在来線ホームは島式1面2線で、約8両分の長さがあり、新幹線ホームは2面2線（実質）の高架ホームとなっています。在来線と新幹線コンコースは直接接続しておらず、改札外乗換となります。

駅舎2階にはみどりの窓口、自動券売機、待合室、NewDaysなどの商業施設が、1階には飲食店などが集まっています。かつて駅ビル「ピボット」や駅ナカの立ち食いそば店「古川そば」がありましたが、現在は閉鎖されています。

古川オフレールステーション：コンテナ集配基地

古川駅の西側には、JR貨物のコンテナ集配基地である「古川オフレールステーション（古川ORS）」があります。ここは、かつての古川駅（陸前古川駅）の跡地北側に位置し、現在はトラック便による仙台貨物ターミナル駅とのコンテナ輸送が行われています。陸羽東線のJR貨物第二種鉄道事業が廃止されたことにより、貨物駅としての機能はなくなりましたが、地域経済を支える重要な物流拠点としての役割を担っています。

利用状況と周辺環境

2023年度の古川駅の1日平均乗車人員は4,379人、新幹線利用者は2,625人です。周辺には大崎市の中心市街地が広がり、駅前再開発事業も進められています。シネマコンプレックスなどの商業施設も整備され、駅周辺は活性化に向けた取り組みが継続されています。

アクセス：バス路線

古川駅にはミヤコーバス、ジェイアールバス東北、オリオンバスなどの路線バスや高速バスが乗り入れています。多数のバスのりばが設置され、大崎市民病院へのシャトルバスも運行しています。

運賃計算：新幹線と在来線の運賃

古川駅の新幹線営業キロは、東北本線小牛田駅を準用しているため、仙台駅や一ノ関駅との間で、新幹線と在来線利用の運賃が異なる場合があります。以前は選択乗車制度がありましたが、現在は廃止され、経路に応じた運賃が適用されます。

隣の駅

東北新幹線：仙台駅、くりこま高原駅
陸羽東線：陸前谷地駅、塚目駅

古川駅は、歴史と近代性を融合させた、大崎市の象徴的な存在と言えるでしょう。これからも地域の交通の要として、発展を続けていくことが期待されます。

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