くりこま高原駅

くりこま高原駅

くりこま高原駅は、宮城県栗原市志波姫新熊谷に位置する、東日本旅客鉄道（JR東日本）東北新幹線の駅です。東北本線の新田駅から約5.5kmの位置にあり、乗車券は同駅との選択乗車が可能です。

歴史

くりこま高原駅は、新幹線開業後に設置された駅ですが、その構想は開業前から存在しました。当初は築館町が中心となり新駅誘致活動を進めていましたが、古川駅と一ノ関駅の中間地点から外れていたため、新駅の場所を志波姫町に変更し、宮城県北部一円を巻き込んだ広域的な誘致運動に発展しました。

1980年には1市23町村が「東北新幹線停車駅促進期成同盟会」を結成し、新駅の仮称を「栗原・登米駅」としました。日本国有鉄道は技術的には問題ないものの、建設費用を地元が負担する請願駅という形になるという見解を示しました。概算で46億円と見積もられた建設費について、期成同盟会は慎重に検討を重ね、栗原郡の町村が18億円を負担、残りの費用は宮城県や民間からの寄付で賄う計画を立てました。

1987年、JR東日本が「栗原登米駅」の設置を表明し、具体的な協議が開始されました。新花巻駅や水沢江刺駅を参考に事業費の見直しが行われ、駅舎整備に約24億円、駅前整備に約8億円、計約32億円が必要とされました。宮城県が駅舎建設費の半額を負担することで合意し、建設費が確保されました。

JR東日本は駅の用地無償譲渡や将来的な拡張を見据えた土地の確保、12両編成対応のホームなどの条件を提示しました。地元自治体はこれらの条件を受け入れ、1988年に基本協定書が調印され、建設工事が始まりました。

駅名については、当初「栗原登米駅」とする予定でしたが、JR東日本が読みづらいとして再考を求め、公募の結果、いくつかの案が出されましたが、最終的にJR東日本は独自に「くりこま高原駅」を決定しました。この駅名決定に対して地元自治体は反発しましたが、最終的には「くりこま高原駅」として開業することになりました。

1990年3月10日、くりこま高原駅は開業しました。

年表

1990年（平成2年）3月10日：栗原郡志波姫町の駅として開業。
1997年（平成9年）3月22日：速達型「やまびこ」の停車を開始。
1999年（平成11年）5月26日：自動改札機を設置し、供用を開始。
2005年（平成17年）4月1日：市町村合併に伴い、栗原市の駅となる。
2020年（令和2年）3月14日：新幹線eチケットサービス開始。
2021年（令和3年）3月13日：タッチでGo!新幹線のサービスを開始。
2024年（令和6年）1月15日：みどりの窓口の営業を終了。
2024年（令和6年）1月16日：話せる指定席券売機を導入。
2024年（令和6年）10月1日：えきねっとQチケのサービスを開始。

駅構造

相対式ホーム2面2線を持つ高架駅で、通過線がないため、列車がホームの目の前を高速で通過します。安全対策として可動式安全柵が設置されています。ホームは当初12両編成対応でしたが、現在はフル規格10両とミニ新幹線規格7両の17両編成に対応しています。

小牛田統括センターの直営駅で、駅長と副長が配置されています。自動券売機、話せる指定席券売機、自動改札機、駅レンタカー営業所、待合室、土産屋、観光案内所などの施設があります。以前は「びゅう旅センター」も設置されていました。

駅構内には、改札階とホームを結ぶエレベーター、上りエスカレーターが設置されています。

のりば

番線	路線	方向
--	---	----
1	東北新幹線	上り 東京方面
2	東北新幹線	下り 仙台方面

利用状況

2023年度の1日平均乗車人員は880人です。宮城県県北地域から自家用車で駅へ来て、仙台・東京方面へ向かう利用者が多いです。

駅周辺

駅周辺は田園風景が広がり、路線バス・タクシー乗り場は西口に、一般車の無料駐車場は東口にあります。

駅周辺を含む栗原市内の迫川・二迫川・三迫川流域は、「国営付帯県営かんがい排水場」の受益地となっており、長らく大規模な開発が制限されてきました。2006年にイオンがショッピングセンターを出店しましたが、その後も大規模な開発は進んでいません。栗原市は「第2次市総合計画」で駅周辺の開発構想を掲げています。

主要施設

エポカ21（ホテル・レストランなどの総合施設）
イオン栗原志波姫ショッピングセンター
栗原市役所 志波姫総合支所（旧・志波姫町役場）
志波姫郵便局
宮城県道250号くりこま高原停車場線
宮城県道268号くりこま高原停車場伊豆沼線
国道398号

バス路線

東日本急行：高速「仙台金成線」
栗原市民バス：若柳線、岩ケ崎線、築館一関線、花山線
登米市民バス：新田線
ミヤコーバス：栗駒山紅葉号

その他

東北新幹線内の週末パスのフリーエリアは当駅までです。
駅名に「高原」と付いていますが、駅所在地の標高は約20メートルです。

隣の駅

東日本旅客鉄道（JR東日本）

東北・秋田・北海道新幹線

古川駅 - くりこま高原駅 - 一ノ関駅

参考文献

築館町教育委員会教育総務課　『築館町史』増補版　築館町、2005年。
『東北新幹線 くりこま高原駅』　志波姫町、1991年。

外部リンク

* 駅の情報（くりこま高原駅）：JR東日本

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