古館駅

古館駅

岩手県紫波郡紫波町中島落合に位置する古館駅（ふるだてえき）は、東日本旅客鉄道（JR東日本）が管轄する東北本線の駅です。この駅は、かつて東北本線の主要駅の一つとして機能し、時代の変遷とともにその役割や形態を変化させてきました。

歴史

古館駅の歴史は、1944年（昭和19年）10月11日に「古舘信号場」として設置されたことに始まります。これは、列車の運行上の必要から設けられた施設でした。その後、戦後の混乱期を経て、1949年（昭和24年）3月1日には信号場から駅へと昇格し、「古舘駅」として旅客や貨物の取り扱いを開始します。これにより、地域における交通結節点としての役割を担うこととなりました。

高度経済成長期が終盤に差し掛かった1970年（昭和45年）4月1日には、時代の変化に伴い貨物の取り扱いが廃止されます。翌1971年（昭和46年）8月15日には荷物の取り扱いも終了し、同時に駅員が配置されない無人駅となりました。この時点で、駅業務は大幅に縮小された形です。さらにその3日後の8月18日には、隣接する日詰駅の管理下に置かれることとなりました。一時期、1986年（昭和61年）には盛岡駅から駅員が派遣され、実質的に有人駅として機能していた時期もありましたが、これは一時的な措置でした。

日本の鉄道史における大きな節目である1987年（昭和62年）4月1日、国鉄の分割民営化に伴い、古館駅は東日本旅客鉄道（JR東日本）の駅として新たな歩みを始めます。

その後も駅のサービス形態は変化を続け、2014年（平成26年）9月30日には定期券や新幹線自由席券の発売が終了しました。近年では、交通系ICカードへの対応が進み、2023年（令和5年）5月27日からはICカード「Suica」が利用できるようになりました。しかし、再び無人化の流れが進み、2024年（令和6年）3月16日には終日駅員が配置されない完全な無人駅となりました。同年10月1日からは、えきねっとQチケのサービスが開始されるなど、最新の技術を活用したサービスの導入も行われています。

駅構造

古館駅は、地上に配置された相対式ホーム2面2線を有する駅です。これは、線路を挟んで向かい合う形で二つのホームが設置されている構造を指します。両ホーム間を移動するためには、駅構内に設置された跨線橋を利用します。駅舎は、東北新幹線が通る高架の下に設けられており、新幹線の構造物を有効活用した形となっています。現在、駅は盛岡駅の管理下に置かれており、終日駅員が配置されない無人駅として運営されています。かつてはJR東日本東北総合サービスへの業務委託駅であり、自動券売機も設置されていた時期もありましたが、現在は撤去されています。乗降客は、設置されている簡易Suica改札機を利用して乗降します。

利用状況

JR東日本が公開している情報によれば、2000年度（平成12年度）から2022年度（令和4年度）までの期間において、1日あたりの平均乗車人員がどのように推移してきたかを確認することができます。具体的な数値は変動があるものの、地域の利用状況を反映した変化が見られます。

駅周辺

駅周辺は、地域生活の拠点としての役割を担っています。主要な道路としては、広域を結ぶ国道4号や、駅から直接アクセスできる岩手県道152号古舘停車場線が通じており、交通の便が良い立地です。

生活関連施設や公共機関も点在しており、紫波警察署古館駐在所、紫波町立古館小学校、古館郵便局などが近くにあります。また、紫波中央自動車学校のような教育施設も立地しています。古館ニュータウンと呼ばれる比較的規模の大きい住宅地も存在し、駅周辺の住民の生活を支えています。商業施設としては、イオンスーパーセンター紫波古館店があり、買い物客で賑わいます。

近年、紫波町によって駅前広場の整備事業が進められました。この事業は2021年（令和3年）8月に着工し、約2年をかけて2023年（令和5年）11月に完成を迎えています。整備された駅前広場には、ロータリーや歩道が新たに設けられたほか、冬期間の利用を考慮した融雪装置や夜間の安全を確保するための照明灯なども設置され、駅利用者の利便性や安全性が大幅に向上しました。

隣の駅

JR東日本東北本線における、古館駅の隣駅は以下の通りです。

■東北本線（快速「はまゆり」の一部列車、普通列車）
紫波中央駅 - 古館駅 - 矢幅駅

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