台北101

台北101の概要

台北101（タイペイいちまるいち）は、台湾の台北市信義区に位置する超高層ビルです。地上101階、地下5階の構造を持ち、509.2メートルの高さは、建設完了当初、世界で最も高い建築物として知られていました。しかし、2007年にブルジュ・ハリーファにその座を譲りました。地元の著名な建築家である李祖原によって設計され、工事は熊谷組を中心としたJVと韓国のSAMSUNG C&Tが担当しました。このプロジェクトには、約600億元の巨費が投じられました。

建設とオープン

台北101の建設は7年間にわたりました。2004年に竣工し、12月31日にはオープン記念の式典が行われました。また、翌年の大晦日には、このビルを舞台にしたカウントダウンイベントが開催され、多くの花火が打ち上げられました。毎年5月には「台北101國際登高賽」が行われ、2046段の階段を駆け上がるレースが行われています。このイベントは世界中から多くの参加者を集める人気の競技です。

ビルの構造とデザイン

台北101のデザインは、近代的な外観を持ちながらも、伝統的な宝塔や竹の節をイメージしています。外壁はガラス張りで、耐久性が高く、紫外線や熱を2/3カットする機能も備えています。建物の基礎は8本の巨大な柱によって支えられ、風圧による振動を緩和するためのTMD（チューンドマスダンパー）が設置されています。このダンパーにより、風による振動を最大40%抑制でき、安心して過ごせる空間を提供しています。

エレベーター

台北101のエレベーターは、東芝製で、毎分1,010メートルの速度で上昇し、地上1階から89階まで39秒で到達します。この速度は当時の世界記録で、後に上海中心に抜かれるまで続きました。エレベーター内では、リアルタイムで階層や速度の表示がされるほか、星空の演出や音楽も楽しめます。

アクセスと施設

台北101には、台北捷運（MRT）の淡水信義線・台北101/世貿駅から直接アクセス可能です。また、周辺にはバス路線もあり、便利な移動手段が用意されています。展望台への入場は、五階のショッピングモールから可能で、営業時間は毎日10:00から22:00まで。入場料は600台湾ドルで、特別価格が適用されることもあります。

イベントとライトアップ

台北101では、毎年大晦日に年越し花火が行われ、多くの人々が集まります。日没からのライトアップも行われ、幻想的な雰囲気が楽しめます。さらに、特別なイベントやコンサートも定期的に行われ、常に注目を集めています。

安全性と環境への配慮

このビルは、大型台風の直撃を受ける地域に位置しているため、特に暴風対策には万全を期しています。また、2011年にはLEED認証システムにおいてプラチナ認証を取得し、環境に配慮した建物としての評価も受けています。

台北101は、観光スポットとしての魅力だけでなく、ビジネスの場でも重要な役割を果たしています。多くの国際的な企業も入居しており、台湾の経済の中心的存在としても知られています。

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