四人囃子

四人囃子：日本のプログレッシブ・ロックを代表するバンド

四人囃子は、1971年に結成された日本のロックバンドです。何度かのメンバーチェンジや活動休止期間を経て、21世紀に入り再び活動を活発化させています。その音楽性は、プログレッシブ・ロックを基軸としつつ、時代と共に変化を遂げてきました。

音楽的特徴

初期の四人囃子は、プログレッシブ・ロック、ハードロック、サイケデリック・ロックからの影響を色濃く反映した、多様なサウンドが特徴でした。作詞を担当した末松康生の描く、ノスタルジックで非現実的な詞世界も、バンドの音楽性を彩る重要な要素でした。また、10分を超える大作主義も初期の特徴として挙げられます。

代表曲としては、「一触即発」「おまつり」「泳ぐなネッシー」などがあります。これらの楽曲は、複雑な構成や展開、高度な演奏技術を要するもので、当時の日本のロックシーンにおいては特異な存在でした。

森園勝敏に代わり佐藤ミツルが加入してからは、音楽性が大きく変化しました。佐藤のソフィスティケートされたボーカルスタイルや、歌謡曲の要素が加わり、よりポップな路線へとシフトしました。この時期の代表作としては、『PRINTED JELLY』や『包』が挙げられます。

さらに、佐久間正英がバンドに深く関わるようになると、テクノ・エレクトロニカの要素が加味され、より実験的なサウンドへと変化していきました。アルバム『NEO-N』や『DANCE』では、その傾向が顕著に表れています。

このように、四人囃子の音楽性は、メンバーチェンジや時代の変化とともに、大きく変遷してきました。初期と後期では、ほとんど別のバンドと言っても過言ではないほどです。

メンバー

現在のメンバー

岡井大二（ドラムス、リーダー）
森園勝敏（ボーカル、ギター）

過去のメンバー

中村真一（ベース）
佐藤ミツル（ボーカル、ギター）
茂木由多加（キーボード）
佐久間正英（ギター、ベース）
坂下秀実（キーボード）

来歴

結成 - 1971年
1969年、森園勝敏と岡井大二が高校在学中に知り合い、中村真一を加えた「ザ・サンニン」として活動を開始。
その後、坂下秀実が加入し、「四人囃子」としての活動をスタート。
初期のライブでは、ピンク・フロイドの「Echoes」を完璧に演奏できるバンドとして、その名を知られていました。
1973年 - 1976年：メジャーデビューとメンバーの脱退
1973年、映画『ある青春/二十歳の原点』のサウンドトラックを発売し、プレデビュー。
1974年、東宝レコードから『一触即発』でメジャーデビュー。
ファーストアルバム発売後、茂木由多加が加入。
1975年、中村真一に代わり、佐久間正英がベーシストとして加入。5人体制でシングル「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」を発売。
茂木の脱退後、セカンドアルバム『ゴールデン・ピクニックス』を発売。
アルバム発売後、森園勝敏が脱退し、バンドは存続の危機に直面。
1977年 - 1990年代：佐藤ミツル加入と活動休止
1977年、佐藤ミツルが新ボーカル＆ギターとして加入し、バンド活動を継続。
佐久間正英が楽曲制作の中心となり、バンドはポップ/ニュー・ウェイヴ色を強めていく。『PRINTED JELLY』『包』をリリース。
坂下の脱退後、茂木が再加入し『NEO-N』を発売。その後、バンドは活動を休止。
1989年、佐久間、岡井、坂下の3人で活動を再開し、アルバム『DANCE』を発売。
森園と佐藤も加えた5人での再結成ライブをMZA有明で行い、その模様は『LIVE FULL-HOUSE MATINEE』としてリリース。
1990年代は、散発的な再結成ライブのみ。
この間、佐久間や岡井はプロデューサーとして活躍。
1996年、公式ウェブサイトを開設。
2001年 - 現在：再結成とライブ活動
21世紀初頭から、初期メンバー（岡井・森園・佐久間・坂下）での活動が活発化。
2001年、ワンステップフェスティバル2001に出演。未発表音源集『四人囃子 BOX SET-From The Vaults-』を発売。
2002年から、テレビ朝日の「ROCK LEGENDS」ライブシリーズに多数出演。スモーキー・メディスンとのダブルヘッドライナーツアーの模様はテレビ放送もされ、音源は『四人囃子 2002 LIVE』としてリリース。
フジロックフェスティバル'02に出演。アルバム全10タイトルが再発売。
2003年、茂木由多加が死去。
数年のブランクを経て、2008年に同ラインナップで再始動。「ROCK LEGENDS」シリーズの他、ジョイントライブ「色彩探索」を立ち上げ、フジファブリックとのダブルヘッドライナー公演を敢行。
2011年、中村真一が死去。
2014年、佐久間正英が死去。
2022年、坂下秀実が死去。
2023年6月22日、『In Memory of 坂下秀実』@GEMINI Theater(二子玉川)を開催。

ディスコグラフィ

シングル

「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ / ブエンディア」（1975年）
「レディ・ヴァイオレッタ / カーニバルがやってくるぞ」（1976年）
「拳法混乱（カンフージョン） / ほろ酔いの伊達男」（1979年）

スタジオ・アルバム

『一触即発』（1974年）
『ゴールデン・ピクニックス』（1976年）
『PRINTED JELLY』（1977年）
『包（bāo）』（1978年）
『NEO-N』（1979年）
『DANCE』（1989年）

ライブ・アルバム

『'73 四人囃子』（1978年）
『LIVE FULL-HOUSE MATINEE』（1989年）
『2002 LIVE』（2002年）
『1974 ONE STEP FESTIVAL』（2019年）

ボックス・セット

『From The Vaults』（2001年）
『From The Vaults 2』（2008年）

その他のアルバム

『ある青春/二十歳の原点』（1973年）
『TRIPLE MIRROR OF YONINBAYASHI』（1976年）
『HISTORY』（1989年）
『四人囃子アーリー・デイズ（二十歳の原点＋未発表ライブ）』
『四人囃子ゴールデン☆ベスト』（2011年）
『四人囃子アンソロジー〜錯〜』（2017年）

エピソード

海外バンドとの共演
Deep PurpleやRainbowの日本公演でオープニングアクトを務めた。
Jeff Beck、New York Dolls、Frank Zappaなどとも共演。
『ある青春/二十歳の原点』
四人囃子の1stアルバム制作の条件として制作されたサウンドトラックアルバム。
収録曲はライブで演奏されることが少なく、プレデビュー作として扱われる。
「夜」は、アマチュア時代の高見沢俊彦が作詞。
「なすのちゃわんやき」
『ゴールデン・ピクニックス』収録のインスト曲。
“絶対音感の持ち主を不快にさせる”ことをコンセプトに、キーが変わるという仕掛けが施されている。
佐久間がリコーダーを演奏。
『'73四人囃子』
1973年のライブ音源を収録。
メンバーの許可なく発売された。
『From The Vaults』シリーズ
ファンからの海賊録音提供を呼びかけ、音源を収録。
Rock Legends
スモーキー・メディスンとの対バン時、スモーキーが1曲目に「空と雲」を演奏し、四人囃子メンバーを苦笑させた。
頭脳警察との対バンでは、両バンドで「頭脳囃子」を演奏。
色彩探索
フジファブリックとのジョイントでは、両バンドで「カーニバルがやってくるぞ」を演奏。
SOIL&"PIMP"SESSIONSとのセッション時には、総勢10人編成で演奏。
「拳法混乱（カンフージョン）/ ほろ酔いの伊達男」
ジャッキー・チェン主演映画『ドランクモンキー 酔拳』の日本公開版主題歌。

関連事項

プラスチックス - 佐久間正英が参加していたテクノポップバンド。
PEGMO - 岡井大二、坂下秀実が参加していたコーラスグループ/テクノポップバンド。
プリズム - 森園勝敏が参加していたフュージョンバンド。
頭脳警察 - 四人囃子がサポートしたバンド。一部メンバーがレコーディングにも参加。
つボイノリオ - 「金太の大冒険」のレコーディングに四人囃子が参加。
遠藤賢司 - 新旧四人囃子のメンバーがレコーディングに参加。

外部リンク

公式ウェブサイト
* 佐久間正英の公式ウェブサイトへのリンク'>佐久間正英の公式ウェブサイト

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