国道397号

国道397号：岩手と秋田を繋ぐ幹線道路

国道397号は、岩手県東部の港湾都市大船渡市から、秋田県内陸部の横手市に至る全長約135kmの一般[[国道]]です。大船渡港と岩手県内陸部の工業団地を結ぶ重要な物流ルートとして機能する一方、雄大な自然景観を望める観光道路としての側面も持ち合わせています。

起点と終点、そして重要な経由地

起点となるのは岩手県大船渡市の権現堂交差点で、国道45号および国道107号と交差します。終点は秋田県横手市の佐賀会沖田交差点。国道13号と国道342号、そして秋田県道57号十文字羽後鳥海線と接続しています。途中、岩手県気仙郡住田町、奥州市、秋田県雄勝郡東成瀬村といった地域を貫通しています。

歴史：地方道から国道へ

国道397号は、現在のルートの一部が昭和29年から昭和51年にかけて、段階的に建設省（現・国土交通省）から主要地方道に指定され、県道の水沢十文字線や水沢住田線として整備されてきました。そして、昭和57年4月1日に現在の一般[[国道]]397号として正式に指定されました。その後も、種山工区の開通(平成元年)や津付道路の全線開通(平成26年10月)、新小谷木橋の開通(令和3年5月)など、段階的な改良・拡充が続けられています。

沿線の魅力と課題：自然と交通の両面

国道397号は、北上山地など変化に富んだ地形を通過します。奥州市胆沢から秋田県境にかけては「焼石連峰ビーチライン」という愛称を持つ区間があり、雄大な山々と沿岸部の景観を同時に楽しめる場所として知られています。しかし、山岳地帯を通るため、冬期の閉鎖区間（奥州市胆沢若柳～秋田県雄勝郡東成瀬村岩井川野尻）が存在するなど、厳しい自然条件も課題となっています。

主要な道路改良事業：安全と利便性の向上

近年、安全性の向上と交通利便性の確保を目的に、いくつかのバイパス道路や道路改良事業が実施されました。

津付道路: 住田町内の隘路区間を解消し、安全性を高めるため、全長約2.7kmのバイパス道路が整備されました。トンネルや橋梁が全体の約7割を占める、ほぼ直線ルートです。津付ダムの付替道路として計画されましたが、ダム建設中止後も復興支援道路として整備が継続され、2014年に全線開通しました。
石淵道路: 奥州市胆沢地区内の隘路区間の解消と、胆沢ダムの付替道路として整備されました。全長約7.3kmで、複数のトンネルと橋梁が用いられています。1993年度から段階的に開通が進み、2008年度に全線開通しました。

道路施設：橋梁とトンネル

国道397号沿いには、北上川に架かる新小谷木橋をはじめとした多くの橋梁や、小股トンネル、種山トンネル、胆沢トンネル、大森山トンネルなど多数のトンネルが存在します。これらの施設は、山岳地帯における道路整備の困難さと、安全確保への配慮を物語っています。

地理と周辺道路

国道397号は、岩手県の大船渡市、気仙郡住田町、奥州市、そして秋田県の雄勝郡東成瀬村、横手市と、複数の自治体を経由します。途中の多くの地点で国道45号、国道107号、国道340号、国道456号、国道342号、国道4号、国道13号といった主要国道と接続しており、広域的な交通ネットワークを形成しています。また、各地域の主要な県道とも接続し、地域内の交通アクセスを担保しています。

まとめ

国道397号は、岩手県と秋田県を繋ぐ重要な幹線道路です。物流、観光、地域交通など、多様な役割を担いながら、自然環境との調和や安全性の確保といった課題にも取り組んでいます。今後も、地域社会の発展に貢献していくことが期待されます。

もう一度検索