国道駅

国道駅

概要

神奈川県横浜市鶴見区生麦五丁目に所在する、東日本旅客鉄道（JR東日本）が運営する鶴見線の駅です。駅にはJI 02の駅番号が割り当てられています。駅名の「国道」は、当駅が開業した当時、駅と京浜国道（現在の国道15号である第一京浜国道の前身にあたる道路）が交差する地点に位置していたことに由来します。

歴史

当駅は、1930年（昭和5年）10月28日に鶴見臨港鉄道の駅として開業しました。当初は旅客営業のみを取り扱っていました。1943年（昭和18年）7月1日、鶴見臨港鉄道線が国に買い上げられたことにより、鉄道省（後に日本国有鉄道）鶴見線の駅となります。1971年（昭和46年）3月1日には駅員の配置がなくなり無人駅化され、同時に自動券売機が設置されました。国鉄分割民営化に伴い、1987年（昭和62年）4月1日からはJR東日本の駅として運営されています。ICカード「Suica」は2002年（平成14年）3月22日から利用可能となりましたが、長年設置されていた自動券売機は2022年（令和4年）2月28日をもって取り扱いを終了しました。

駅構造

当駅は高架構造を持ち、相対式ホームが2面と、線路が2線配置されています。現在は駅係員がいない無人駅であり、簡易Suica改札機が設置されています。駅のホームはカーブを描いているため、停車する列車とホームの間には隙間が生じやすく、列車の到着時には安全確保のため警報音が鳴ります。トイレは改札外コンコースにあり、男女共用の和式水洗式です。エレベーターやエスカレーター、多機能トイレなどのバリアフリー設備は設けられていません。

駅舎は1930年の開業以来、改札口の位置が一部変更された以外に大規模な改築は行われていません。特に高架下部分は、建設当時の構造や雰囲気を色濃く残しており、独特の景観を形成しています。JRの運賃制度における特定都区市内制度では、「横浜市内」の駅として扱われます。

利用状況

2008年度の1日あたりの平均乗車人員は1,539人でした。無人駅化されているため、2009年度以降の乗車人員数はJR東日本からは公式に公表されていません。

駅周辺

駅の近傍には、主要な道路である国道15号（第一京浜）が通っています。また、京浜急行電鉄本線の花月総持寺駅も比較的近くにあります。駅のホームからは、鶴見川を渡る鉄道橋を望むことができます。周辺には、昔ながらの雰囲気を残す生麦魚河岸通りがあります。郵便局としては、横浜生麦郵便局や横浜岸谷郵便局が利用圏内にあります。

バス路線

駅前には「国道駅前」バス停留所があり、横浜市交通局（横浜市営バス）の路線バスが発着しています。

特記事項

かつて鶴見臨港鉄道が運営していた時代には、駅の高架下に「臨港デパート」と呼ばれる商業施設が存在したとされていますが、現在その詳細を示す資料はほとんど残されていないようです。
当駅はそのレトロな雰囲気が評価され、しばしば映画やテレビドラマの撮影場所として使われています。森﨑東監督作『野良犬』（1973年）や是枝裕和監督作『幻の光』（1995年）、テレビドラマでは『男女7人秋物語』（1987年）、『時効警察』（2006年）、『白夜行』（2006年）、『華麗なる一族』最終話（2007年）など、多くの作品に登場しています。
駅舎の外壁、特に正面から見て右側の角のあたりには、第二次世界大戦末期の1945年に受けた連合国軍機による機銃掃射の銃弾痕が残っており、歴史的な痕跡として認識されています。

隣の駅

東日本旅客鉄道（JR東日本）鶴見線
鶴見駅 (JI 01) - （本山停留場） - 国道駅 (JI 02) - 鶴見小野駅 (JI 03)
かっこ書きの駅は現在廃止されています。

関連項目

阪神国道駅（阪急今津線）：国道2号直上に位置し、類似した名称を持つ駅。
横浜大空襲
FRAGILE 〜さよなら月の廃墟〜：ゲームソフト。作中に登場する廃駅が当駅をモデルにしたとされています。
* 勇午〜洞爺湖サミット編〜：漫画・アニメ。作中に当駅が登場します。

もう一度検索