地理空間情報

地理空間情報とは

地理空間情報とは、地理や空間に関連付けられた情報のことで、「地理情報」や「空間情報」とほぼ同じ意味で使われます。具体的には、場所を示す位置情報や、その情報に関連付けられたデータなどが含まれます。

日本においては、地理空間情報活用推進基本法（平成19年法律第63号）によって定義されており、以下の2つに分類されます。

1. 空間上の特定の地点や区域の位置を示す情報（時間情報を含む）
2. 上記の情報と、それに関連付けられた情報

一説によると、行政情報の約8割がこの地理空間情報に該当すると言われています。これは、行政活動において、場所と紐づいた情報がいかに重要であるかを示しています。

地理空間情報の活用

地理空間情報は、様々な活動の計画、立案、実行に役立ちます。特に、災害時にはその威力を発揮します。例えば、2005年のハリケーン・カトリーナの際には、市民が被害状況をGoogle マップに投稿することで、被害の全容を把握することができました。このように、地理空間情報は、緊急時における迅速な対応を支援します。

具体的な例

地理空間情報は、私たちの日常生活に数多く存在しています。

写真: 撮影場所の情報が含まれている場合、それは地理空間情報です。
飲食店の情報: 「近所のラーメン屋の味噌ラーメンは600円」という情報も、場所と価格が関連付けられているため、地理空間情報となります。
地表のあらゆるもの: 道路、建物、樹木など、地表面にあるものはすべて「位置」という地理空間情報を持っています。
地図データ: 地図、空中写真、統計データなども地理空間情報です。

地理空間情報の利用

地理空間情報は、カーナビゲーションシステムやインターネット上の地図データとして身近に利用されています。また、行政では都市計画や固定資産の管理に活用されてきました。近年では、GIS（地理情報システム）の普及により、より多くの人々が地理空間情報を利用できるようになりました。

行政での活用例

ハザードマップの公開: ウェブサイトでハザードマップを公開し、災害リスクを住民に周知しています。
住民参加型GIS: 不法投棄や不審者情報を住民から収集し、地域の問題解決に役立てています。

国土地理院の展望

国土地理院は、地理空間情報がもたらす新しい社会について、以下の具体的な展望を掲げています。

安全で安心できる社会: 災害時の迅速な対応や防犯対策に役立つ。
豊かで暮らしやすい社会: 生活サービスの最適化や効率的な都市計画が可能になる。
国土環境が良好に保たれる社会: 環境保全活動や資源管理に貢献する。
地域がいきいきと自立している社会: 地域活性化や観光振興に繋がる。
* 新たなビジネスが創生される活力あふれる社会: 地理空間情報を活用した新サービスや製品が開発される。

民間での活用例

民間企業では、行政が作成した地理空間情報に独自の情報を付加した製品を販売したり、出店計画やマーケティングに利用したりしています。例えば、日本マクドナルドはGISを活用して出店計画を立て、成功を収めています。

まとめ

地理空間情報は、私たちの生活や社会に不可欠な情報です。その活用範囲は広く、今後ますます重要性が高まると考えられます。地理空間情報の利活用を促進することで、より安全で豊かで、持続可能な社会を実現することができるでしょう。

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