坂城駅

坂城駅：歴史と自然が織りなす信州の駅

長野県埴科郡坂城町に位置する坂城駅は、しなの鉄道線とJR貨物の駅として、地域に深く根付いた存在です。日中の快速電車は停車しますが、朝夕の快速電車や観光列車は通過します。北陸新幹線が開通するまでは、特急「あさま」の一部も停車していました。

歴史を刻む駅舎

坂城駅の開業は1888年（明治21年）8月15日にさかのぼります。官設鉄道信越線の駅として開設され、以来、地域住民の生活を支える重要な交通拠点として機能してきました。

その後、1978年（昭和53年）に専用線発着を除く車扱貨物取扱が廃止、1984年（昭和59年）には荷物扱いが廃止されるなど、時代の変化とともに駅の姿も変遷を遂げてきました。1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化により、JR東日本とJR貨物の駅となりましたが、1997年（平成9年）10月1日の北陸新幹線開業に伴う経営分離により、しなの鉄道に経営移管されました。

近年では、2022年（令和4年）4月1日より、土曜・休日が無人駅となりました。また、2013年（平成25年）には、169系電車が駅構内の側線に展示されることとなり、鉄道ファンにも注目されるようになりました。

駅構造と設備

坂城駅は、島式ホーム1面2線を有する地上駅です。駅舎とホームの間は、エレベーター付きの跨線橋で連絡しており、バリアフリーにも配慮されています。木造駅舎は歴史を感じさせ、独特の趣があります。また、発車ベルはスピーカーによって音色や速度が異なり、利用客に変化のある音響体験を提供しています。坂城町が業務を受託する簡易委託駅として運営されています。

活気あふれる貨物輸送

JR貨物の駅としては、専用線発着車扱貨物取扱駅となっています。駅南側にはENEOS北信油槽所があり、専用線が接続されています。この専用線を経由して、石油輸送が行われています。根岸駅との間で1日2往復の貨物列車が運行されており、そのうち1往復は高速貨物列車です。

利用状況と周辺環境

坂城駅の利用状況は、近年は減少傾向にあります。2021年度の乗車人員は663人でした（坂城町統計書より）。一方、貨物輸送は、ENEOS北信油槽所への石油輸送を軸に、安定した輸送量を維持しています。

駅周辺には、ENEOS北信油槽所のほか、坂城町役場、坂城高等学校、国道18号などが位置しています。また、歴史的な史跡である坂木宿や葛尾城も近くにあります。「鉄の展示館」も近隣にあり、鉄道史にも触れることができます。バス路線も整備されており、坂城駅前停留所から坂城町循環バス（信州観光バス運行）が利用可能です。

隣の駅

しなの鉄道線の隣の駅は、上田駅と戸倉駅です。普通列車のほか、快速列車（一部通過）、特別快速「軽井沢リゾート号」、観光列車「ろくもん」も停車します。

まとめ

坂城駅は、歴史と自然に囲まれた、静かで落ち着いた雰囲気の駅です。歴史ある木造駅舎、独特の発車ベル、そして活気ある貨物輸送など、多くの魅力を兼ね備えています。しなの鉄道の旅の途中に、ぜひ一度訪れてみてください。

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