堤大介

堤 大介 (Daisuke Tsutsumi)

堤 大介（つつみ だいすけ、1974年11月6日 - ）は、日本出身のアニメーションアーティストおよびイラストレーターです。彼は現在、アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコに在住し、英語圏では「ダイス（Dice）」という名義で広く知られています。彼のキャリアはピクサー・アニメーション・スタジオでのアートディレクターとしての役割から多岐に渡り、数々の著名なアニメーション作品に関わってきました。

経歴

堤は東京で生まれ育ちましたが、5歳のときに両親が離婚します。彼は母親と姉とともに育てられ、母親は会社を経営していました。教育は和光学園で受け、そこでは野球に情熱を注いでいました。高校卒業後、1993年にアメリカのニューヨークに移り、スクール・オブ・ビジュアル・アーツで油絵を学びました。1998年に卒業した後、彼はルーカスフィルム傘下のルーカス・ラーニングでスタッフ・イラストレーターとしてキャリアをスタートさせました。

2000年にはブルースカイ・スタジオに移り、視覚効果および色指定アーティストとして活躍します。2010年まで勤務した後、ピクサーに移籍し、アートディレクターとして数多くのプロジェクトに関わることになります。特に2014年には、彼が共同監督を務めたアニメ映画『ダム・キーパー』がアカデミー短編アニメ賞にノミネートされ、ここでその才能が一層評価されました。

受賞歴

堤は2009年に、著名なアニメ監督である宮崎駿の姪と結婚しました。また、2020年度のアニー賞ではジューン・フォーレイ賞を受賞し、2022年度には監督作『ONI ～ 神々山のおなり』でリミテッドシリーズ作品賞を受賞しています。これらの受賞歴は、彼の業界内での地位を強固にしています。

書籍と社会活動

堤はブルースカイ・スタジオのアンソロジー『Out of Picture』の2巻にも作品を寄稿しています。彼はコミュニティや社会活動にも積極的で、2008年にはトトロのふるさと基金を支援するためのプロジェクト「トトロ・フォレスト・プロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクトでは様々なアーティストの作品を集め、資金を集めるオークションを行いました。さらに、2006年からはスケッチトラベルというプロジェクトに取り組み、世界中のアーティストとともに特別なスケッチブックを作成し、その収益を教育支援に寄付しました。

家族と親族

堤の家族は多彩で、父親はジャーナリストのばばこういち、母親は実業家で詩人の堤江実です。また、彼の義叔父には著名な映画監督宮崎駿がおり、姉の未果もジャーナリストとして活躍しています。義兄は政治家の川田龍平です。

代表作

堤の手掛けた代表的な作品には、以下のようなものがあります：

• - アイス・エイジ（2002年） - マットペイントおよび色彩設計
• - ロボッツ（2005年） - 色彩責任者および追加デザイン
• - トイ・ストーリー3（2010年） - 色彩および照明監督
• - ONI ～ 神々山のおなり（2022年） - 監督・原案・エグゼクティブプロデューサー

堤大介は、その独自の視点と優れた技術を駆使して、アニメーションの世界に新しい風を吹き込んでいるアーティストです。彼の今後の活躍にも注目が集まります。

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