士幌町農業協同組合

JA士幌町（しほろちょうのうぎょうきょうどうくみあい）

JA士幌町は、北海道河東郡士幌町に位置する農業協同組合です。組合員自らが農産物の加工、流通、販売を手がけることで付加価値を創出し、農業者の所得向上を目指しています。

概要

JA士幌町は「農村ユートピアの創造を目指して」というスローガンを掲げています。太田寛一や安村志朗ら青年たちの「農畜産物の原料生産だけでなく、加工から流通・販売を農民自身が担い、付加価値を得ることで他産業と同じ所得を得られるようにしたい」という理念が、JA士幌町の礎となっています。

組合員に占める准組合員の割合が少ないことが特徴で、これは准組合員の比率が高い北海道においては珍しい傾向です。また、信用事業においてはJA士幌町独自の「自賄貯金制度」を設けており、自己資本の充実と内部留保の確保に努め、堅実な経営基盤を確立しています。

沿革

士幌の開拓は、1898年（明治31年）に岐阜県から入植した43戸の集団によって始まりました。当初は米作にこだわりましたが、土地が稲作に適さなかったため、豆類の栽培に転換。しかし、豊凶の差が激しく、相場変動も大きかったため、経営は安定しませんでした。

1912年（明治45年）には、旧佐倉藩主による大規模な佐倉農場が建設され、平坦部の開発が進みました。1931年（昭和6年）に「士幌村産業組合」が設立され、1948年（昭和23年）の農業協同組合法（農協法）施行に伴い、「士幌村農業協同組合」に改組されました。

農民自らが農産加工によって付加価値を得る取り組みとして、1946年（昭和21年）に澱粉工場を買収。これにより、それまで生産者に不利な取引が行われていた実態が明らかになり、1954年（昭和29年）までに士幌村内のすべての澱粉工場がJA士幌町の傘下となりました。翌年には連続式合理化澱粉工場を建設し、1960年（昭和35年）にはJA士幌町に加え、JAおとふけ、JA木野、JA鹿追町、JA上士幌町の5農協による馬鈴薯関連施設の共同利用体制を構築しました。

1956年（昭和31年）からは、北海道内で初めて生乳共販を開始し、地域や季節による取引価格の格差是正に努めました。また、寒さに強い馬鈴薯や甜菜に、豆類や酪農・畜産を組み合わせた有畜農業の体系を確立し、農地の積極的な開墾と農家の淘汰選別を進め、1戸当たりの耕地面積を大幅に拡大しました。1970年（昭和45年）からは、牛肉の需要安定に応えるため、本格的な肉牛事業を開始し、1973年（昭和48年）に食品工場を建設すると、販売高が飛躍的に向上しました。

同年からは、自立経営農家の育成を目的とした新規草地開発などの基盤整備や、リースによる酪農団地の建設を開始。JA士幌町が関連施設を建設し、20年間の長期リースを行うことで新規就農を支援する、全国的にも珍しい取り組みとなりました。さらに、アイソトープ照射センター（コバルト照射センター）が完成し、翌年から操業を開始。世界初の食品照射商業用照射施設となりました。

主な施設

本部事務所
下居辺事業所
上居辺事業所
中士幌事業所
西上事業所
新田事業所
佐倉事業所
購買店舗（Aコープ士幌店 ASPO）
旬菜酒房 和（なごみ）
農協記念館
ガス工場
士幌給油所
農業資材館
倉庫事務所
澱粉工場
寒地バイテク研究所
種子馬鈴薯 受入事務所
土壌診断センター
コバルト照射センター
食用馬鈴薯貯蔵施設 管理事務所
食用馬鈴薯 受入事務所
食肉処理施設（士幌町振興公社）
畜産総合施設
苫小牧農業倉庫
釧路農業倉庫
熊谷市消費地出荷施設

主な生産品

牛乳
馬鈴薯
甜菜
小麦
豆類
スイートコーン

もう一度検索