多良間村

多良間村の概要

多良間村（たらまそん）は、沖縄県の先島諸島に位置し、多良間島と水納島の2つの島から構成される村です。これらの島は宮古島と石垣島の間にあり、周囲の隆起サンゴ礁によって形成されています。多良間村は、宮古郡に属する唯一の町村です。

地理

多良間村は北緯24度39分、東経124度42分に位置し、面積は多良間島が19.75km²、水納島が2.15km²です。村の最高地点は多良間島の北部にある八重山遠見台で、高さは34.19メートルです。この地域は海洋亜熱帯性気候に属しており、温暖な気候が特徴です。

村内には、塩川、仲筋、水納という3つの地区があり、それぞれ異なる文化や風景があります。特に、塩川地区は郵便局や宿泊施設が集まる中心地になっています。多良間村の人口は高齢化が進んでおり、高齢化率は約30.3%にのぼります。若年層の流出が問題となっています。

歴史

多良間村は、15世紀末に土原豊見親が多良間島を統一したことからその歴史が始まります。1530年代には、仲宗根豊見親が宮古島の支援を受けつつ八重山地方を征伐し、多良間島もその影響を受けました。1628年には、特別行政区として多良間島が設けられ、その後も様々な変遷を経て、多良間村が設立されました。特に1771年の明和の大津波や、その他の自然災害も村に影響を与えました。

第二次世界大戦後、沖縄の復興とともに多良間村も発展し、観光や農業が重要な産業となりました。特に、サトウキビの生産が盛んで、県内での黒糖生産では約40%のシェアを占めています。

経済

多良間村の経済は、第一次産業と第三次産業が中心です。国勢調査によれば、第1次産業は41.5%、第3次産業は44.9%の就業者数を示しています。村内にはJAおきなわがあり、農業の支援や金融サービスを提供しています。また、宮古製糖の工場があり、地元のサトウキビを使用した製糖業が行われています。

文化

多良間村には、豊かな伝統文化があります。代表的な祭りはスツウプナカで、豊作を祈願し感謝するために行われます。一方、八月踊りは月の満ち欠けに合わせて行われ、村の歴史を伝える重要な行事です。

その他にも、嶺間御獄や泊御獄などの神社や祭場があり、地元の人々に大切にされています。90年代には多良間村独自のヤシガニ保護条例が制定され、自然環境の保護にも力を入れています。

交通

多良間村へのアクセスは、海と空がメインです。多良間空港があり、琉球エアーコミューターが定期便を運航しています。また、多良間港にはフェリーが発着し、宮古島や水納島と繋がっています。村内には村営バスも運行されており、村の中心部と各地区を結ぶ交通手段となっています。

多良間村は、自然環境と豊かな歴史的背景を活かした地域づくりが進められており、今後の発展が期待されます。

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