大分県立美術館

大分県立美術館：芸術と文化が息づく空間

大分県大分市寿町に位置する大分県立美術館（OPAM）は、2015年4月24日に開館した公立美術館です。延べ約1万6,800㎡の広大な敷地に、地上4階地下1階建ての建物がそびえ立ち、洗練されたデザインと充実した施設が来館者を迎えます。

建築デザインと空間構成

建築界の最高峰の賞であるプリツカー賞を受賞した坂茂氏率いる株式会社坂茂建築設計が設計を手掛けた本美術館は、内外装ともに洗練されたデザインが特徴です。国道197号（昭和通り）に面した展示ゾーンと、北西側に位置する管理・収蔵ゾーンは、効率的な動線設計によってスムーズな館内移動を可能にしています。

1階の展示室は、3方をアトリウムで囲まれた開放的な空間となっています。高さ6mまで開閉可能な水平折戸によって、アトリウムは外部空間とシームレスにつながり、街と美術館の境界を曖昧にすることで、地域に開かれたパブリックスペースとしての機能も果たしています。

3階は、大分県産の素材を活かした箱型の外観にガラスを組み合わせた、独特の建築美が目を引きます。天井には竹工芸をモチーフにした骨組みが施され、中庭には透光性の膜が使用されるなど、細部に至るまでこだわった設計となっています。OASISひろば21（iichiko総合文化センター）とはペデストリアンデッキで接続されており、周辺施設との連携も図られています。

展示ゾーンと充実した設備

美術館内には、企画展を開催する展示室A、コレクションを展示するコレクション展示室、県民ギャラリーとしての役割も持つ展示室Bなど、多様な展示空間が用意されています。

1階には、ミュージアムショップやカフェも併設されており、来館者は作品鑑賞だけでなく、休憩や交流を楽しむことができます。2階には研修室、アトリエ、プレイルーム、ギャラリー、ライブラリーなどが設置され、幅広い年齢層が楽しめる施設となっています。

管理・収蔵ゾーンは、事務室、館長室、収蔵庫などを備え、作品の保存管理と美術館運営を支える重要な役割を担っています。

開館までの経緯と受賞歴

老朽化した大分県立芸術会館の後継施設として、2010年から大分県美術館構想検討委員会が設置され、新美術館の必要性やあり方が検討されました。県民からの意見募集では、新美術館建設への高い支持が得られ、2011年には大分市に新美術館を建設することが決定しました。2013年4月12日に着工、2014年11月に竣工し、2015年4月24日に開館しました。

開館後、本美術館は高い評価を受け、2015年度JIA日本建築大賞、LCDアワーズ アジア・太平洋部門 最優秀新設文化施設、RIBA国際優秀賞など数々の賞を受賞しています。

アクセスと情報

JR九州大分駅から徒歩15分、または大分交通バス、中心市街地循環バス「大分きゃんバス」を利用してアクセスできます。開館時間は10:00～19:00（金土は20:00まで）、休館日は原則ありません。

公式サイト、Facebook、X（旧Twitter）などを通じて、最新の展示情報やイベント情報が発信されています。

大分県立美術館は、現代美術から伝統工芸まで、幅広いジャンルの芸術作品を展示し、地域社会に貢献する文化施設として、今後もその役割を果たしていくことでしょう。

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