大口広司

大口広司の生涯とキャリア

大口広司（おおぐち ひろし、1950年11月28日 - 2009年1月25日）は、埼玉県出身で、1960年代の日本の音楽シーンにおいて重要な役割を果たしたドラマーです。特に、グループ・サウンズの代表的なバンド『ザ・テンプターズ』での活動が有名で、その後は俳優業にも挑戦しました。多才な彼は、音楽だけでなく、ファッションデザインにも関与していた時期もあります。

早稲田実業時代と音楽デビュー

大口は埼玉県川口市で育ち、早稲田実業学校に在学中の1967年、16歳で『ザ・テンプターズ』のドラマーとしてデビューしました。しかし、高校を中退して音楽の道に専念することになります。ザ・テンプターズは1970年に解散するものの、大口はその後も音楽活動を続けます。1971年には、井上堯之や沢田研二らと共に「PYG」というバンドを結成し、再びドラムスを担当しました。

ウォッカ・コリンズの結成

PYG脱退後の1972年、大口は内田裕也のツアーを通じて出会ったアラン・メリルと共に「ウォッカ・コリンズ」を結成しました。1974年にはアランが渡英することによりバンドは解散しますが、1996年にアランが再来日した際に、カマヤツひろしなどと共に再結成を果たしました。また、大口は初期のプラスチックスにも参加し、さらには萩原健一のバックバンドでの演奏も行いました。彼は数多くのセッションに参加し、プロフェッショナルなドラマーとしての名声を高めていきます。

俳優業への転身

音楽活動に加え、大口は俳優業にも進出しました。彼の俳優デビューは、1970年代に放送された『時間ですよ』で、これがきっかけで数々のテレビドラマに出演するようになります。特に、萩原健一主演の『前略おふくろ様』や、沢田研二の『悪魔のようなあいつ』では、その演技力が評価されました。また、2004年には『向田邦子の恋文』で準主役を演じ、再び注目を浴びることとなりました。

私生活とトラブル

1983年には女優の真行寺君枝と結婚しましたが、1984年に大麻所持の容疑で逮捕され、その後起訴されるという事件が発生しました。1991年には経営していた服飾会社が倒産し、1997年には真行寺をモデルにしたヘアヌード写真集を出版し、大きな話題となりました。私生活の波乱に満ちた彼でしたが、それでも1990年代以降も俳優業や音楽活動を続け、2000年代に入ってからも活動は衰えませんでした。

晩年と死去

大口は2004年にドラマの準主役に抜擢され、様々な作品に出演し続けましたが、2009年1月25日、彼は肝臓癌により58歳で亡くなりました。通夜には沢田研二や岸部一徳、元妻の真行寺君枝など、多くの関係者が参列し、彼を偲びました。大口の死から1年後の2010年には、追悼ライブが開催されるなど、彼の音楽と演技の業績は多くの人々に記憶されています。

映画及びテレビドラマ出演作品

大口広司は映画やテレビドラマにも多く出演しており、以下はその一部です。

• - 映画『ザ・テンプターズ 涙のあとに微笑みを』（1969年）
• - ドラマ『時間ですよ』（TBS）
• - ドラマ『前略おふくろ様 I・II』（NTV）
• - ドラマ『向田邦子の恋文』（2004年 TBS）

大口広司の多才なキャリアは、音楽、演技、デザインと多岐にわたり、彼の作品は今でも多くの人々に愛されています。

もう一度検索