大阪朝鮮中高級学校

大阪朝鮮中高級学校（おおさかちょうせんちゅうこうきゅうがっこう）は、大阪府大阪市東成区に所在する、学校教育法における一条校ではない各種学校です。主に大阪府、奈良県、和歌山県に居住する生徒たちが通っています。

学校のルーツは1952年、大阪市生野区田島に開校したことに始まります。創立記念日は1961年9月10日と定められています。その後、学校は数回の移転を経て現在に至ります。1957年には河内市（現・東大阪市）玉串元町へ移り、1973年には東大阪市菱江の現在地へ新校舎と共に移転しました。2018年には東大阪朝鮮中級学校を併設する形となりましたが、2020年には同校と統合。民族教育のさらなる発展と中高一貫教育体制の強化を目指し、現在の大阪朝鮮中高級学校へと校名を変更しました。将来計画として、2025年には大阪市東成区への再移転が予定されています。

校章は「三ペン」として知られています。三本のペンは勤勉さを、三つのハンマーは勤労を象徴し、朝鮮半島の美しい山河（三千里錦繍江山）と、当時の南北朝鮮の総人口である三千万の民族を表しています。しかし、近年はこの校章が使用される機会は減少し、制服にも採用されていません。

教育体制としては、中高一貫教育が推進されています。高等部には文系、理系に加え、日本の国公私立学校からの編入に対応するクラスも設けられています。各種学校でありながら、近年は学力向上に力を入れており、著名な私立大学などへの合格者も多数輩出するなど、進学実績も向上しています。

スポーツ活動も盛んで、特にラグビー部は顕著な成績を収めています。1991年に大阪府の高校総体に朝鮮高校として初めて参加しベスト16入り。1994年には高体連から全国大会への特例参加が認められました。1999年には大阪府総体および全国大会大阪府予選で準優勝。そして2003年には、全国高等学校ラグビーフットボール大会の大阪府予選で初優勝を飾り、全国大会へ初出場を果たし、2回戦に進出しました。近年では、2020年度と2021年度の全国大会でベスト4という輝かしい成績を残しています。また、文化活動では吹奏楽部も活躍しており、2012年には大阪府代表として関西吹奏楽コンクールに初出場し、金賞を受賞しています。

学校の現在地の一部は、過去に土地に関する問題が発生しました。1971年に決定された土地区画整理事業の区域内にあったため、学校敷地の一部が減歩対象となりましたが、代替地の確保が長期間進まず、市有地となった敷地部分の使用が続きました。2006年、東大阪市は学校側が市有地の部分を長年無償で使用しているとして、土地の明け渡しと未払い分の使用料約7,900万円の支払いを求めて訴訟を提起しました。この問題は、2009年に大阪朝鮮学園側が当該土地を1億4,600万円で買い取り、訴訟提起以降の使用料相当額を支払う内容で和解が成立し、解決に至りました。

生徒数は、2023年1月時点で中等部188人、高等部160人の合計348人となっています。

多くの卒業生が各分野で活躍しています。サッカー界では姜鉉守、金東秀、梁勇基、李栄直など、ラグビー界では権晶秀（指導者としても）、成昴徳、李承信、尹礼温、文裕徹など、ボクシング界では元世界王者・李冽理、元日本王者・帝里木下、李健太などが知られています。その他、ジャーナリストの高英起、作曲家の高昌帥、女優のちすん、ミュージカル俳優の朴悠那なども本校の出身です。

交通アクセスとしては、近鉄けいはんな線吉田駅から南西へ約1.2km、近鉄奈良線河内花園駅から北へ約1.8kmの位置にあります。

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