大隅横川駅

大隅横川駅は、鹿児島県霧島市横川町中ノに位置する、九州旅客鉄道（JR九州）肥薩線の駅です。その歴史は古く、1903年（明治36年）に横川駅として開業しました。その後、1920年（大正9年）に現在の大隅横川駅へと名称が変更されました。

駅舎は開業当初からの木造建築で、鹿児島県内では嘉例川駅と並び最も古い駅舎の一つです。2006年（平成18年）には、その歴史的価値が認められ、国の登録有形文化財に登録されました。駅舎内は無人駅でありながらも、出札口などが当時の姿をそのまま残しており、大切に保存されています。

大隅横川駅は、太平洋戦争中に大きな被害を受けました。1945年（昭和20年）7月には、米軍機による機銃掃射を受け、駅舎の屋根には無数の弾痕が残りました。ホームの柱にもその跡が見られ、当時の悲惨な状況を今に伝えています。島式ホームには、かつて使用されていたタブレット受けが残されています。

駅の構造は、単式ホーム2面2線を有する地上駅です。かつては2面3線でしたが、中央の1線が撤去されました。駅舎内には待合スペースがあり、訪れる人々を温かく迎え入れます。年末には、駅舎がイルミネーションで飾られ、幻想的な雰囲気に包まれます。

2009年（平成21年）には、駅の隣接地に平和公園が完成しました。この公園は、駅の歴史と平和への願いを象徴する場所となっています。大隅横川駅は、歴史的な価値と美しい景観から、多くの観光客や鉄道ファンが訪れる人気のスポットです。

利用状況については、2016年度の1日平均乗車人員は108人となっています。駅周辺には、霧島市役所横川総合支所や横川健康温泉センター、横川郵便局などの公共施設や、光雲寺、霧島市立横川小学校などの教育施設があります。また、九州自動車道や丸岡公園も近くにあり、アクセスも便利です。

大隅横川駅は、南日本放送制作のDVD「かごしま鉄道物語」でも紹介されており、1979年にテレビ番組で放送された当時の映像を見ることができます。また、2007年には、テレビ番組「ザ・ベストハウス123」で「一度は降りてみたい！日本の美しい無人駅BEST3」の3位に選ばれ、その美しさと歴史的価値が広く知られるようになりました。

隣の駅は、肥薩線の栗野駅と植村駅です。大隅横川駅は、単なる駅としてだけでなく、歴史と文化を感じられる場所として、地域の人々に愛され続けています。その美しい駅舎と歴史的な背景は、訪れる人々に深い感動を与え、心に残る旅の思い出となるでしょう。

駅構造
単式ホーム2面2線
木造駅舎
無人駅
国登録有形文化財

歴史
1903年（明治36年）：横川駅として開業
1920年（大正9年）：大隅横川駅に改称
1945年（昭和20年）：空襲により被害
2006年（平成18年）：国の登録有形文化財に登録
2009年（平成21年）：平和公園完成

その他
南九州近代化産業遺産群の物資輸送関連遺産
テレビ番組で紹介
駅舎にイルミネーションが飾り付けられる

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