太陽時

太陽時とは

太陽時（たいようじ、英語: solar time）は、太陽の運動を観測して得られる時刻系の一つです。特に、太陽が地平線上で最も高い位置に達する時、または子午線を通過する時刻を正午として定義されています。この時刻系は、観測地点ごとに設定され、地球の自転に基づいています。

太陽時の種類

視太陽時

視太陽時（したいようじ、英: apparent solar time）または真太陽時（しんたいようじ）は、視太陽日を基にした時間のタイプです。視太陽日は、太陽が観測地点の子午線を二回通過する間隔を基準にしています。明治から大正時代には真時とも称されていました。現代では、時計の普及により視太陽時を使用することは少なくなりましたが、特に建物の設計に関する日影規制においては真太陽時が考慮されています。

均時差

視太陽時と平均太陽時の差は「均時差」と呼ばれています。視太陽の日の長さは、一年を通じて変動します。これは、まず第一に、地球の軌道が円形ではなく楕円形であるために、近日点では太陽が速く、遠日点では遅く動くからです。また、地球の自軸が傾いていることにより、太陽は地球の赤道の真上を即して運行しません。これらの要因によって、特定の時期には視太陽日が長く、また別の時期には短くなることがあります。

平均太陽時

平均太陽時（へいきんたいようじ、英: mean solar time）は、視太陽時の平均値を基に調整された仮想的な時計によって刻まれる時間です。異なる季節によって視太陽日は平均太陽日と比べて最大で22秒短くなることもあります。長い日や短い日が連続することで、両者の差は最大で約17分進み、また約14分遅れることがあります。

古代では水時計が平均太陽時を計測するために用いられ、時代が進むにつれて、星の動きを用いたより正確な方法が開発されました。特に、10世紀以降は天文学者たちが均時差を理解し、補正を行っていました。近代に入ると、グリニッジ平均時（GMT）という概念が登場して、国際的な時間基準として広まりました。今日の協定世界時（UTC）は、原子時計に基づきながらも、未だに天体の観測結果を考慮して調整されています。

天文時

歴史的には、天文学における太陽時は正午で日付が変わる「天文時」に基づいていました。この方式は天文学的な観測に都合が良いとされましたが、一般社会では混乱を招くことがあったため、1925年からは一般的な時間計算として正子（真夜中）を日界とする「常用時」に統一されました。とはいえ、特定の天文計算においては引き続き正午を基準としている場合もあります。

まとめ

太陽時は、視太陽時、平均太陽時、さらに天文時といった特定の基準によって成り立っており、天文学や建築、様々な分野で利用されています。これらの時刻系の理解は、私たちの生活リズムと密接に関連しています。太陽の動きを通じて時間を捉えることは、自然のリズムに則った生活をする上での基本でもあります。

もう一度検索