姜昌一

姜昌一（カン・チャンイル）

姜昌一（カン・チャンイル、강창일、1952年1月28日 - ）は、大韓民国の政治家、外交官、元培材大学校教授、元学生運動家です。第17代から第20代まで連続4期にわたり国会議員を務めました。共に民主党に所属し、韓国国会の独島領土守護対策特別委員会委員長や韓日議員連盟会長を歴任。2021年から2022年には駐日大韓民国大使を務めました。済州島出身で、仏教徒です。

学生運動と学者時代

ソウル大学在学中には、3選改憲反対デモを主導し、大統領選挙法違反で起訴されました。その後、民青学連事件で拘束され、懲役10年の判決を受け服役。1975年に刑執行が停止された後も、拷問の後遺症に苦しみ、当局の監視下で過ごしました。1980年に復学、1981年にソウル大学を卒業後、1983年に東京大学大学院に留学しました。2003年には、博士論文「近代日本の朝鮮侵略と大アジア主義：右翼浪人の行動と思想を中心に」で博士号を取得。帰国後は培材大学校の教授に就任しました。また、日帝時代の資料を収集し、済州大学に寄贈するなどの活動も行っています。

国会議員としての活動

2004年、済州市・北済州郡甲選挙区で国会議員に初当選。以降、民主党系の政党で連続4期を務めました。国会議員としては、独島領土守護対策特別委員会委員長を務め、竹島問題に関する活動も積極的に行ってきました。

竹島・歴史問題への姿勢

竹島（韓国名：独島）問題においては、日本の教科書や防衛白書への記載に強硬な姿勢を示しています。2011年には、北方領土の国後島を訪問し、日本の抗議に対し「日本側の一方的な論理」と反論。また、「親日派」の子孫を糾弾する運動や、「日本の右翼」の入国禁止を主張しました。さらに、親日派の墓を国立墓地から移葬する「親日派破墓法」を支持する発言もしています。

慰安婦問題への取り組み

慰安婦問題については、2015年の日韓合意を「安倍政権と朴槿恵政権の約束にすぎない」として無効だと主張しています。慰安婦被害者に対しては「いつか日本の国王や首相が謝罪する」と励ます発言もしています。また、挺対協（現：正義記憶連帯）の活動を高く評価し、同団体への批判に対しては「歴史の真実を歪曲する勢力は謝罪すべき」と述べています。

その他の発言と活動

2016年には、済州島での中国人観光客の犯罪増加を理由に、中国警察との合同パトロールを提案しました。日本の皇室に対しては批判的な見解を示し、天皇を「戦争の主犯」と捉える韓国国民の認識を代弁。また、2019年の日韓貿易紛争では、日本政府の措置を批判する一方、韓国政府の対応にも問題点を指摘しています。

韓日議員連盟会長として

2017年からは韓日議員連盟会長を務め、安倍晋三首相と面会するなど、日韓関係改善に向けた活動も行いました。しかし、徴用工問題などでは、日本政府の主張に反論し、両政府の協議対象ではないとの見解を示しています。

駐日大韓民国大使として

2020年11月に駐日大韓民国大使に内定しましたが、日本政府への内定通達が発表のわずか1時間前であったため、国際儀礼違反として批判を受けました。また、着任時には、日本の首相や外相との面会が実現せず、日韓関係の悪化が影響したと報じられました。2022年6月に帰任する際、ようやく日本の外相と面会しました。2023年には、旭日大綬章を受章しています。

来歴

学歴

五賢高等学校卒業
ソウル大学校国史学博士
東京大学大学院修士
東京大学大学院博士

経歴

1974年：民青学連事件で懲役10年を宣告
1975年：刑執行停止で釈放
1991年〜2004年：培材大学校日本学科教授、教務処長
1995年〜2003年：済州4・3研究所所長
2001年〜2003年：光州5・18記念財団理事
2004年：第17代総選挙で国会議員に初当選
2004年〜2008年：第17代国会議員
2004年〜2007年：ウリ党済州道党委員長
2008年：第18代総選挙で国会議員に再選
2008年〜2012年：第18代国会議員
2010年：内乱陰謀容疑で無罪判決
2012年：第19代総選挙で国会議員に3選
2012年〜2016年：第19代国会議員
2016年：第20代総選挙で国会議員に4選
2016年〜現在：第20代国会議員
2017年〜現在：韓日議員連盟会長
* 2021年～2022年：駐日大韓民国大使

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