学校法人根津育英会武蔵学園

学校法人根津育英会武蔵学園

学校法人根津育英会武蔵学園は、東武鉄道の社長であり、甲州財閥の総帥でもあった初代根津嘉一郎の寄付によって創立された学校法人です。現在は、武蔵大学、武蔵高等学校・武蔵中学校を経営しています。

概要

創立者の根津嘉一郎は、アメリカの実業界視察をきっかけに育英事業への志を抱き、私財を投じて武蔵学園を設立しました。設立当初は、旧制中学と旧制高校を併せ持つ7年制高等学校として開校し、独自の教育方針で多くの人材を輩出しました。

沿革

設立の背景

1909年、根津嘉一郎はアメリカの実業団に参加し、ロックフェラーなどの著名な財界人が公共事業に貢献する姿に感銘を受けました。帰国後、宮島清次郎、正田貞一郎らに相談し、本間則忠、平田東助、一木喜徳郎、岡田良平、山川健次郎、北條時敬らと学校設立の構想を練りました。

財団法人根津育英会の設立

1921年7月、根津は約360万円相当の土地、株式、現金を寄付し、自らが理事長となる「財団法人根津育英会」の設立を申請、9月に認可されました。このニュースは当時、「一世一代の大奮発」として社会を驚かせました。

武蔵高等学校の開校

1921年末には武蔵高等学校の設立認可が下り、1922年4月、日本初の私立7年制旧制高校として開校しました。7年一貫教育を掲げ、東京帝国大学への進学者を多数輩出しました。

戦後の改革

根津の死後、戦後の財政難や学制改革の中で、東京連合大学構想が浮上しましたが実現せず、最終的に武蔵大学、武蔵中学校・高等学校として再編されました。1951年には学校法人根津育英会に改編されました。新制移行後しばらくの間、武蔵大学学長が高校・中学の校長を兼任していましたが、1975年に学園長制度が発足し、正田建次郎が初代学園長に就任しました。2013年には「学校法人根津育英会武蔵学園」に名称が変更されました。

設立当初の理事・評議員

根津嘉一郎 (初代): 理事長
宮島清次郎: 理事
正田貞一郎: 理事
根津啓吉: 理事
本間則忠: 評議員
平田東助: 評議員
一木喜徳郎: 評議員
岡田良平: 評議員
山川健次郎: 評議員
北條時敬: 評議員
佐々木吉三郎: 評議員

年表

1919年（大正8年）: 育英事業のための評議員会を組織
1921年（大正10年）: 根津育英会設立認可
1922年（大正11年）: 武蔵高等学校開校
1948年（昭和23年）: 新制武蔵高等学校発足
1949年（昭和24年）: 武蔵大学設立認可、武蔵中学校発足
1950年（昭和25年）: 旧制武蔵高等学校廃止
1951年（昭和26年）: 学校法人根津育英会に改編
1975年（昭和50年）: 学園長制度発足
2013年（平成25年）: 学校法人根津育英会武蔵学園に改称

歴代理事長・学園長

理事長

初代: 根津嘉一郎 (初代)
2代: 根津嘉一郎 (2代)
3代: 一木喜徳郎
4代: 根津嘉一郎 (2代)（再任）
5代: 宮島清次郎
6代: 山本為三郎
7代: 小林中
8代: 根津嘉一郎 (2代)（再任）
9代: 田中郁三
10代: 根津公一

学園長

初代: 宮本和吉
2代: 吉野信次
3代: 正田建次郎
4代: 太田博太郎
5代: 植村泰忠
6代: 田中郁三
7代: 有馬朗人
8代: 池田康夫

文化財

千川上水調査アルバム

関連項目

武蔵大学
武蔵高等学校中学校
根津美術館
哲学館事件

外部リンク

根津育英会武蔵学園
武蔵学園記念室
武蔵大学
武蔵高等学校・武蔵中学校
千川上水調査アルバム - 練馬区

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