安土駅

安土駅：歴史と観光が交差する琵琶湖線の駅

滋賀県近江八幡市安土町上豊浦に位置する安土駅は、西日本旅客鉄道（JR西日本）東海道本線の駅です。駅番号はJR-A18、愛称は「琵琶湖線」として親しまれています。

歴史を刻む駅舎

1914年（大正3年）4月25日、国有鉄道東海道本線として開業した安土駅は、当初は旅客と貨物の両方を扱う一般駅でした。1972年（昭和47年）に貨物営業を終了し、以降は旅客駅として運営されています。1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化を経てJR西日本に継承されました。

その後も、駅は時代と共に進化を遂げてきました。[1988年]]には「琵琶湖線」の愛称が導入され、1998年には自動改札機が設置。2003年にはICOCAが利用可能となり、2006年にはJR京都・神戸線運行管理システムが導入されました。2017年にはみどりの窓口が営業を終了しましたが、同年11月19日に橋上駅舎と南北自由通路が供用開始され、南口が開設。みどりの券売機プラスも設置され、利便性が向上しました。さらに、駅ナンバリング]も[[2018年から導入されています。近年では、安土城をイメージした装飾が駅舎を彩り、観光客に魅力的な空間を提供しています。

駅構造とアクセス

安土駅は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線の地上駅です。かつては米原駅～京都駅間で最後の木造駅舎でしたが、2017年の橋上駅舎への改築により、現代的な駅へと生まれ変わりました。新駅舎は延床面積400㎡の鉄骨造りで、南北を結ぶ58mの自由通路、エレベーター、エスカレーターを完備し、バリアフリーにも配慮されています。改札外にはトイレが設置され、北側自由通路下には観光案内所も開設されました。北口には安土城天守閣を思わせる朱色の八角形塔があり、安土山を展望できる設計となっています。また、2019年には、大河ドラマ『麒麟がくる』放送開始に合わせ、安土城を描いた大きなグラフィックが駅舎北口に設置されました。

乗り場とダイヤ

主に1番のりば（上り本線）と3番のりば（下り本線）が使用されます。2番のりばは両方向共通の待避・折り返し線で、当駅始発の列車に使用されています。日中は1時間あたり2本の列車が停車しますが、朝夕は本数が増加します。朝には当駅始発の列車も運行されています。

駅周辺とアクセス

安土駅は旧安土町の中心駅として、近江八幡市の中心地へのアクセスにも便利です。駅から約1.4kmの距離に安土城跡があり、駅前には織田信長の銅像も立っています。北口側には小規模な商店街が形成されています。南側にはかつて相撲場があった歴史も残っています。

バス路線

駅北口と南口には、あかこんバスが乗り入れていますが、平日のみ運行されています。南口停留所は「安土駅南口」ではなく「安土駅南広場」という名称です。

隣の駅

能登川駅
近江八幡駅

参考文献

川島令三『【図説】日本の鉄道東海道ライン全線・全駅・全配線 第6巻 米原駅 - 大阪エリア』講談社、2009年
結解善幸『DJ鉄ぶらブックス 031 路線百科 東海道本線』交通新聞社、2020年
辻良樹「ぶらり各駅停車 東海道本線」『湖国と文化』2010年春号
『都市鉄道完全ガイド 関西JR編 2021-2022年版』双葉社、2021年

安土駅は、歴史と観光、そして現代的な利便性を兼ね備えた、魅力的な駅です。安土城址への観光拠点として、そして近江八幡市へのアクセス拠点として、多くの利用客に親しまれています。

もう一度検索