定武

定武（ていぶ）

定武は、中国の南明時代に、韓王朱璟溧（かんおう しゅ けいりつ）によって建てられたとされる元号です。朱璟溧は、明の太祖である洪武帝の二十番目の息子、韓憲王朱松の子孫にあたります。定武は1646年から1662年までの期間に使用されました。

元号の背景

南明は、明朝が滅亡した後、その復興を目指して各地で擁立された政権の総称です。清軍の侵攻によって明朝が滅亡した後、明の皇族や旧臣たちは各地で抵抗を続けました。その中で、韓王朱璟溧も南明の勢力の一つとして、自身の元号を立て、抵抗を続けたとされています。

定武の元号が使用された時期は、南明の政権が各地で興亡を繰り返していた時期と重なります。このため、南明の歴史は非常に複雑であり、研究者の間でも解釈が分かれる場合があります。

年号対照表

以下に、定武の元号と西暦、干支の対応関係を示します。

研究文献

定武に関する研究は、主に中国の歴史学者によって行われています。以下に、定武に関する主要な研究文献を示します。

孟森『後明韓主』（『明清史論著集刊』、中華書局、1959年）
この文献は、定武の元号を立てた韓王朱璟溧に関する研究において、重要な一次資料を提供しています。
李崇智『中国歴代年号考　修訂本』（北京：中華書局，2001年1月） ISBN 7101025129
この書籍は、中国の歴代の元号を網羅的に解説しており、定武についても詳細な情報を掲載しています（210ページ参照）。
鄧洪波編『東亜歴史年表』（台北：台湾大学出版中心，2005年3月） ISBN 9860005184
この年表は、東アジアの歴史年表をまとめたものであり、定武の元号が使用された時期を把握するのに役立ちます（244-245ページ参照）。

まとめ

定武は、南明の歴史における重要な元号の一つです。韓王朱璟溧が自立して建てた元号であり、当時の政治情勢や社会状況を理解する上で欠かせない情報です。研究が進むにつれて、南明の歴史、ひいては中国史全体の理解をより深めることができるでしょう。

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