定食

定食とは、飲食店などで提供される、あらかじめ決められた複数種類の料理を組み合わせた食事の形態を指します。これは、コース料理やセットメニューとも類似しており、フランス語では「menu（ムニュ）」とも呼ばれます。また、セットやコンボ、プレート、ワンプレートといった多様な呼び方も存在し、一定の献立で提供される食事の略語ともされています。

定食の対義語としては、「一品料理」や「アラカルト」が挙げられます。これは、個々の料理を自由に選択できる形態を指し、定食とは対照的な提供方法です。

提供場所

定食は、様々な場所で提供されてきました。大衆食堂では日常的な食事として親しまれており、有職料理はかつて宮殿で、本膳料理は城などで提供されていました。

懐石料理や会席[[料理]]は、料亭や割烹、待合やお茶屋などで提供されます。また、オートキュイジーヌやヌーベルキュイジーヌは、レストランやホテル、オーベルジュや宮殿などで提供されることが一般的です。

フランスにおいては、「ターブル・ドート(Table d'hôte)」という言葉があり、これは定食そのものだけでなく、定食を提供するテーブルや、定食屋、ホテルまでを指す言葉として用いられています。18世紀末までは、酒を伴わない外食といえば、このターブル・ドートが主流でした。この当時の定食は、基本的に決まったメニューで、日替わりがあったとしても1日に1種類のみでした。19世紀に入ると、徐々に高級路線を歩む店も現れ、食事の選択肢が増加しました。

ファストフード店でも、ハンバーガーとフライドポテトのように、セットメニューが提供されているのは、定食の概念が現代にも受け継がれている良い例と言えるでしょう。

種類

様々な料理が定食やコース料理、セットメニューとして提供されています。以下にその一例を挙げます。

ラーメンライス: 日本における定番の組み合わせで、ラーメンと白米がセットになったものです。
満漢全席: 中国の宮廷料理であり、豪華な食材をふんだんに使った大規模な宴席料理です。
オートキュイジーヌ: フランスの高級料理であり、伝統的な調理法を尊重しつつ、素材の良さを最大限に引き出すことを目的とします。
ヌーベルキュイジーヌ: フランス料理の一種で、伝統的なフランス料理の重厚さから脱却し、より軽やかで素材本来の味を生かした料理です。
ヌーベルシノワ: 中華料理をベースに、フランス料理の技法や盛り付けを取り入れた新しいスタイルの料理です。
広東料理: 中国四大料理の一つであり、素材の味を生かした薄味で、多様な食材を使うのが特徴です。
北京料理: 中国四大料理の一つであり、宮廷料理がルーツで、濃厚な味付けと、小麦粉を使った料理が多いのが特徴です。
トルコ[[料理]]: オスマン帝国時代から受け継がれる多様な料理で、ケバブやメゼなどがあります。
インド料理: スパイスを多用したカレーや、パン類が豊富で、地域によって様々な特徴があります。
御節[[料理]]: 日本の伝統的なお正月料理で、縁起の良い食材を使い、重箱に詰めて提供されます。
有職料理: 日本の宮廷料理で、格式高い儀式や宴席で供されます。
本膳料理: 武家社会で発達した格式高い料理で、一汁三菜を基本とする献立です。
懐石料理: 茶の湯における食事で、禅の思想に基づいた簡素で素材を生かした料理です。
会席[[料理]]: 酒宴において供される料理で、懐石料理よりも豪華で、お酒に合う味付けが多いです。
普茶料理: 禅宗の寺院で供される精進料理で、大皿料理を数人で取り分けて食べるのが特徴です。
卓袱料理: 長崎で生まれた和華蘭折衷の料理で、大皿料理を円卓で囲んで食べるスタイルです。
韓定食: 韓国の伝統的な宮廷料理をルーツとする、様々な料理が並ぶ豪華な定食です。

これらの例からもわかるように、定食は世界各地で様々な形に変化し、多様な食文化を形成しています。

脚注

定食は、その土地の文化や食材を反映した多様な形態で存在し、人々の食生活を豊かにしています。

関連項目

一汁一菜: 日本の伝統的な食事の基本構成です。
一汁三菜: 日本の伝統的な食事の形式で、主食、汁物、主菜、副菜から成ります。
メニュー ([[料理)]]): 料理の品書きで、定食のメニューもこれに含まれます。
献立: 食事の内容を定めたもので、定食を構成する料理の組み合わせを指します。
アラカルト: 一品料理を自由に選べる形式で、定食の対義語です。
コンビネーション・ミール: ファストフード店や定食屋などのセットメニュー形式を指します。
* 焼肉定食: 日本で人気のある定食の一つで、焼肉とご飯、汁物などがセットになったものです。

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