実技

実技とは

実技とは、技術や演技などを実際に行うことを指します。特に、大学受験や資格試験などで課される実技は、実技試験と称されることが多いです。教育においては、実験や実習を通じて、学習者自身が行動することで知識や技術を習得させることを基本としています。

実技の評価

実技の評価は、一般的に第三者がいる場で行われ、その様子を観察することで評価されます。入学試験などでは、評価される側と面識のない人が評価を行うことが一般的です。これにより、客観的な評価が可能になります。

入学試験における実技

入学試験における実技試験は、様々な分野で実施されます。以下にいくつかの例を挙げます。

美術系学校の実技試験

美術系の学校では、3時間から12時間かけて作品を完成させる実技試験が課されます。ファインアート系ではデッサンや着彩が、デザイン系では平面構成や立体構成が、写真系ではテーマに沿った写真撮影が求められます。

音楽系学校の実技試験

音楽系の学校では、学科試験に加えて、楽典、ソルフェージュ、聴音などの音楽基礎能力と、各専攻の実技試験が行われます。ピアノ専攻では、バッハの平均律クラヴィーア曲集やショパンのエチュードなどが、管弦打楽器専攻では音階の演奏などが、声楽専攻ではコンコーネや自由曲などが、作曲専攻では曲の製作が、指揮専攻では指揮の実技が課されます。また、音楽学や音楽療法専攻では英文和訳の試験やピアノ演奏が求められることがあります。

体育系学校の実技試験

体育系の学校では、基礎運動能力（50m走、反復横跳び、上体起こし、立ち幅跳びなど）を測る試験と、専門種目（バスケットボールのドリブルシュート、柔道の打ち込みなど）の実技評価が行われます。

医療系学校の実技試験

医療系の学校では、義肢装具士の場合、義肢や装具の製作が、歯科技工士の場合、入れ歯の製作が実技試験として課されることがあります。

理系学校の実技試験

一部の大学では、理科の実験が実技試験として実施されます。

実技教育の特徴

実技教育では、常に一定の動作を正確に行うことが求められます。そのため、実技の習得には時間と訓練が必要であり、実技の習熟度が優先されるあまり、実技以外の教育が軽視される傾向があります。この結果、実技そのものの意味を深く考えないまま、ただ繰り返すだけの「実技オタク」のような状態に陥ることがあります。

また、実技系の高等教育機関では、卒業生の社会への受け入れが不十分であり、社会通念との乖離が問題となることがあります。この問題の改善に向けた動きはあるものの、まだ途上段階です。

免許・資格試験における実技試験

技術系や操縦系の資格試験では、筆記試験合格後に実技試験が課されることがあります。これは、実際に技術や能力を証明する必要があるためです。

まとめ

実技は、技術や能力を習得し、実践する上で不可欠な要素です。教育現場においては、実技を通じて知識や技術の習得を目指し、試験においては、その習熟度を評価する手段として用いられます。実技教育が偏りなく行われ、社会とのつながりを意識することで、より効果的な学習と能力開発につながると言えるでしょう。

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