富士根駅

富士根駅について

富士根駅（ふじねえき）は、静岡県富士市の天間地区に位置するJR東海身延線の駅です。この駅は無人駅であり、1日の利用客数は約400人となっています。1900年代初頭に開設された歴史を持ち、1913年に富士身延鉄道によって誕生しました。その後、国有化や国鉄分割民営化を経て1987年以降はJR東海が運営しています。特急「ふじかわ」が身延線を走行していますが、富士根駅には普通列車のみが停車し、特急列車は通過します。

駅名の「富士根」は、実際には駅の位置する富士市よりも隣接する富士宮市の地名に由来しています。駅の近くには富士市と富士宮市の境界線が通っており、その特異な立地が存在感を増しています。

歴史

富士身延鉄道は、1913年に富士駅から大宮町駅（現・富士宮駅）までの最初の区間を開業しました。その際、富士根駅もその中間駅の一つとして設置されることが決まりました。当初の計画では、駅は富士郡富士根村に設置されるはずでしたが、工事の難しさから地元の鷹岡村に変更されました。これに対して富士根村は強い反発を示し、最終的に所在地は鷹岡村としながらも駅名を「富士根」にするという合意がなされました。

駅の歴史を振り返ると、以下のような重要な出来事がありました：

• - 1913年7月20日：富士身延鉄道として開設、旅客・貨物の取り扱いを開始。
• - 1927年6月20日：富士-身延間が電化され、駅構内も電化。
• - 1938年10月1日：国が富士身延鉄道を借上げ、鉄道省身延線となる。
• - 1941年5月1日：正式に国有化。
• - 1987年4月1日：JR東海による運営が開始。
• - 1998年：無人駅化され、自動券売機が設置されない状態に。
• - 2010年3月13日：ICカード「TOICA」利用開始。

駅構造

富士根駅は、1面2線の島式ホームを持つ地上駅で、南東から北西の方向に線路が走っています。南側には下り列車用の1番線、北側には上り列車用の2番線があります。駅舎は1番線の南西側に位置し、もともと木造の平屋建てで瓦葺きの構造であり、待合所部分は高い天井が特徴です。無人駅化以降、窓口は閉鎖され、自動券売機は無いため、駅での切符購入はできません。

また、この駅はかつて貨物の取り扱いも行われていましたが、1980年にその業務は終了しました。現在は、駅の管理は近隣の富士宮駅が担っています。

利用状況

2021年度のデータによれば、富士根駅の1日平均乗車人員は405人となっています。この数は1993年度以降一定の変動を見せており、地域の交通の一端を担っています。

駅周辺の環境

富士根駅は、周囲に住宅地や工場が多く存在する賑やかな市街地に位置しています。南東側には潤井川や県道176号、身延線、県道414号がほぼ並行して走り、駅近くの交通の要所となっています。駅周辺には数多くの製紙関連企業や教育機関、公共施設が集まり、地域の交通や経済の中心として重要な役割を果たしています。

富士根駅は、その地理的特徴や歴史、地域との関わりを通じて、富士市と富士宮市の結節点として機能し続けています。

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