小山田茂誠

小山田茂誠の生涯と家系

小山田茂誠（おやまだ しげまさ）は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけて活躍した武将である。彼は武田氏麾下の国衆である小山田氏の一員で、後に後北条氏、真田氏に仕官した。武田家の滅亡後もその血脈を引き継ぎ、評価され続けた茂誠の生涯は、戦国時代の武士たちの運命を物語っている。

家系と背景

茂誠は小山田氏の一門に属し、特に小山田弾正家の出身である。家伝「郡内小山田家長老大長老の事」によれば、彼の家系には複数の分家が存在しており、氏名も「平三」や官途名「弾正」といった仮名を使っていた。茂誠の父である小山田有誠も小山田氏の当主として知られ、彼の背後には大名武田信玄の影響があった。

若き日々

茂誠の生年は永禄4年または5年とされ、21歳か22歳の時に高遠城が落城したことが記録されている。彼の父が、天正10年（1582年）に織田信長や徳川家康の連合軍による武田征伐に従った結果、小山田氏が滅亡すると、茂誠は後北条氏に仕官することとなった。

「松代小山田家文書」にも、茂誠が当主・信茂から一字を受け取った記録が残っており、これが彼の出自を証明する重要な証拠となっている。

武将としての活動

武田家が滅びた後、茂誠は相模国の後北条氏に仕官し、その後、真田昌幸に仕官した。彼は天正18年（1590年）、昌幸から信濃の小県郡村松郷の地を与えられ、ここで昌幸の長女と結婚し、真田家の一員としての地位を築いた。彼はさらに昌幸から受領名「壱岐守」を与えられ、真田姓を名乗ることも許される。

戦国末期の関ヶ原の戦いでは昌幸に従い、西軍に参加し、上田城にて籠城した。この戦いで西軍が敗北すると、茂誠は真田信之の家臣となる。

大坂の陣とその後

慶長19年（1614年）から始まる大坂の陣では、病に倒れていた信之の名代として、子の之知と共に従軍した。親しい友人である信繁から送られた手紙が最後のものであったことからも、信繁との関係が深かったことが伺える。

その後、元和8年（1622年）、信之の松代移封に従い、松代に住まうことになった。茂誠は松代で代々次席家老としてその名を高め、寛永14年（1637年）、76歳または77歳で生涯を閉じた。

現代とのつながり

現在、小山田茂誠の血脈を引く家族の親睦団体「真田会」が存在し、茂誠から数えて13代目の家系を持つ小山田恒雄がその代表を務めている。茂誠の存在は歴史の中で生き続け、今なお武士の誇りを多くの人々に伝えている。

彼の生涯を描いた物語や献身的な姿勢は、ゲームやテレビドラマなどにも取り上げられ、歴史愛好者たちの記憶に刻まれている。彼の足跡は、戦国時代の武士の理想を示す一つの象徴となっている。

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