小幡昌盛

小幡昌盛の生涯と家系

小幡昌盛（おばた まさもり）は、戦国時代に活躍した武将であり、甲斐国の武田氏に仕える足軽大将であった。父は小畠虎盛（小幡虎盛）であり、昌盛は彼の次男として生まれた。また、叔父には同じく武士であった小幡光盛がいる。昌盛は仮名として「孫十郎」を持っていたが、歴史的文献『甲陽軍鑑』や『軍鑑』においては「孫次郎」とも呼ばれている。彼は武田二十四将の一員に数えられる。

生い立ちと初期の活動

小幡氏は、遠江国の勝間田を起源とする一族であり、日浄（盛次）や虎盛の代に甲斐国を訪れて武田信虎に仕官したとされる。父の虎盛は、北信地域における上杉謙信との抗争において、海津城にて活動し、春日虎綱を助けていた。『軍鑑』によると、昌盛も幼少期から父とともに海津城に駐留し、永禄4年の第四次川中島の戦いが迫る中にあって虎盛が亡くなったのを受けて、昌盛は家督を継ぎ、春日虎綱の補佐を続けた。

第四次川中島の戦いとその後

昌盛が記されている文書としては、元亀2年の祈祷奉行において長坂昌国とともに名が見つかることが唯一の証拠であり、生涯の所見は主に『軍鑑』によるものだ。『軍鑑』には彼の武勇と活躍が描かれており、特に1561年の第四次川中島の戦いにおける業績が評価されている。この戦いの後、昌盛は内藤昌秀の指揮下で西上野の総横目を務めることになった。彼は信玄の助言に従い、足軽大将・原虎胤の娘を妻に迎えるなど、武田家の重要な一員としての地位を確立していった。

魂の葛藤と赦免

父の死後、海津城の副将に就任するが、昌盛は信玄の旗本となりたいという願望を持ち、自ら訴訟を起こす。しかし、この行動は信玄の怒りを招き、昌盛は甲府妙音寺に幽閉され、さらには切腹の命令が下された。だが、諏訪勝頼や土屋昌続の仲裁により赦免され、足軽大将の職に留まることができた。その後、永禄12年には三増峠の戦いにおいて、信玄の弟・一条信龍の部隊の検使として活躍した。

晩年と死去

勝頼の時代に入ると、天正10年、織田信長・徳川家康の連合軍が武田領に侵攻する。昌盛は病を患っており、残念ながらこの戦闘には参加できなかった。武田家の窮状が深まる中、昌盛は落ち延びる勝頼に対し、甲斐善光寺での暇乞いを行った後、病死した。享年49歳であり、勝頼が自害するわずか5日前のことであった。彼の死因については、『甲陽軍鑑』における記述から地方病（日本住血吸虫症）であったとの解釈も存在する。これは近世初頭に甲斐国において地方病が流行していた可能性を示すものとしても注目される。

家系の変遷

昌盛は家名を小畠から小幡へと改め、父の虎盛以降にその名を引き継いだ。彼の子供には、長男の昌忠、次男の在直、三男の小幡景憲（『甲陽軍鑑』の編者として知られる）がいる。このように、小幡昌盛は一族の改名や武田家における地位の確立に大きく寄与した人物であった。彼の生涯は、戦国時代における武士たちの厳しい運命を物語っている。

もう一度検索