小波瀬西工大前駅

小波瀬西工大前駅：歴史と現状

福岡県京都郡苅田町に位置するJR九州日豊本線、小波瀬西工大前駅は、西日本工業大学や病院、住宅地が近接する利便性の高い駅です。その歴史は、1944年5月28日に運輸通信省によって小波瀬信号場として開設されたことに始まります。苅田港貨物支線の開設に伴い設置され、連査閉塞装置が用いられた信号場が駅の起源となっています。

当初は貨物輸送が中心でしたが、1948年10月15日には旅客業務も開始。小波瀬駅として営業を開始しました。その後、1984年には荷物扱い廃止、1987年には国鉄分割民営化により九州旅客鉄道へと引き継がれ、1989年にはみどりの窓口が設置されるなど、順次旅客サービスの充実を図ってきました。

1992年10月1日、駅名は小波瀬西工大前駅へと改称され、近隣の西日本工業大学を駅名に含めることで、地域のアイデンティティを反映させました。その後も、2000年には自動改札機の設置、2009年にはICカードSUGOCAの利用開始など、利用者の利便性向上に向けた取り組みが継続的に行われています。2016年10月1日には、小波瀬西工大前駅と苅田港駅を結んでいた貨物支線が廃止されました。これは、駅の変遷を示す重要な出来事です。さらに、2022年3月11日にはみどりの窓口の営業を終了、2023年10月1日にはJR九州サービスサポートからの業務委託から九州旅客鉄道本体による直営駅へと移行するなど、運営体制も変化しています。

駅構造と設備

小波瀬西工大前駅は、駅舎寄りに単式ホーム1面1線、反対側に島式ホーム1面2線を配置した2面3線の構造となっています。下り本線（行橋・中津方面）は1番のりば、上り本線（小倉・下関方面）は3番のりば、そして中央の2番のりばは待避線として使用されています。信号場を拡張したような構造のため、ホームはやや狭くなっています。そのため、駅本屋と島式ホームの間には跨線橋が設置されています。

駅舎は鉄筋コンクリート造で、直営駅として、自動改札機が設置され、SUGOCAなどのICカードが利用可能です。かつてはみどりの窓口も設置されていましたが、現在は閉鎖されています。

利用状況と周辺環境

2022年度の乗車人員は1日あたり1,596人です。北九州市の通勤圏に含まれ、西日本工業大学の最寄駅であることから、特に朝夕の通勤時間帯は多くの利用客で賑わいます。しかし、苅田町の南の外れに位置し、国道10号からも離れているため、駅周辺は住宅地が中心で商業施設は多くありません。

駅周辺には、西日本工業大学に加え、苅田町立新津中学校、苅田町立与原小学校、北九州保育福祉専門学校、北九州リハビリテーション学院などの教育機関、小波瀬病院などの医療機関、ルミエール苅田店や日産自動車九州などの企業、歴史的建造物である御所山古墳などが立地しています。また、苅田町コミュニティバスの停留所も駅前にあります。

隣の駅

かつて存在した路線

小波瀬西工大前駅～苅田港駅間を結んでいたJR貨物日豊本線苅田港支線は、2016年10月1日に廃止されました。

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