小海駅

小海駅：地域の要衝、小海線の拠点

小海駅は、長野県南佐久郡小海町に位置するJR東日本小海線の駅です。1919年（大正8年）3月11日、佐久鉄道羽黒下駅からの延伸開業によって誕生しました。当初は旅客と貨物の両方を扱い、地域の経済活動を支える重要な役割を担っていました。その後、1932年（昭和7年）には小海線佐久海ノ口駅方面への延伸により、小海線の重要な拠点へと成長していきます。

1982年（昭和57年）に貨物取扱いを廃止、1984年（昭和59年）には荷物扱いも廃止されましたが、旅客駅としての機能は維持され、1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化に伴い、JR東日本へと移管されました。同年には駅舎の改築も行われ、現在見られる洋風建築の駅舎となりました。特徴的な時計台が設置されているのもこの改築時に造られたものです。

駅舎内には、JA長野八ヶ岳支所、佐久総合病院小海診療所、ショッピングセンター「アルル」が入居しており、駅周辺住民の生活を支える施設が一体化しています。この複合施設の存在は、小海駅の地域における重要性を示すものです。

2018年（平成30年）9月30日にはみどりの窓口の営業が終了、2023年（令和5年）4月1日からは簡易委託駅となりました。これにより、有人駅としての歴史に幕を閉じましたが、小海町が駅業務を委託する体制が整えられ、駅としての機能は継続しています。

小海駅の構造は、単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の計2面3線からなる地上駅です。ホーム間は構内踏切で連絡されており、乗換は容易です。小海線の運行拠点として、当駅を始発・終着とする列車も多く運行されています。

JR東日本によると、2023年度の1日平均乗車人員は約183人です。この数値は、小海町の規模や、小海線の利用状況などを反映した結果でしょう。2000年度以降の推移を見ると、近年は比較的安定した利用状況を保っていることがわかります。

駅周辺は、千曲川が流れ、豊かな自然に囲まれています。小海町役場、小海町北相木村南相木村組合立小海中学校、長野県厚生連佐久総合病院小海分院といった公共施設のほか、国道141号も駅近くを通っています。また、駅前ロータリーには小海町営路線バス、北相木村営バス、南相木村営バスが発着し、周辺地域へのアクセスにも便利です。

小海線における隣接駅は、下り方面が馬流駅、上り方面が松原湖駅です。ただし、臨時快速列車「HIGH RAIL 1375」の停車駅は異なる場合がありますので注意が必要です。

小海駅は、単なる交通の拠点というだけでなく、地域住民の生活を支え、観光客をも迎え入れる、小海町にとって欠かせない存在です。その歴史と役割は、今後も地域の未来と共に歩んでいくでしょう。

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