小田原厚木道路

小田原厚木道路：東名高速道路を補完する神奈川の主要道路

小田原厚木道路は、神奈川県小田原市から厚木市に至る全長31.7kmの一般有料道路です。東名高速道路の厚木ICと接続し、特に小田原市方面へのアクセスを強化する役割を担っています。高速道路のような構造を持ちながら、一般[[国道]]271号に指定されている点が大きな特徴です。愛称は「小田厚」として親しまれています。

歴史：政治力と急ピッチの建設

小田原厚木道路の建設は、1960年代初頭、当時の建設大臣、河野一郎氏の強い政治的意向が大きく影響しました。東名高速道路のルートが小田原市を通過しなかったことに対する不満から、急造のプロジェクトとして推進された経緯があります。わずか数ヶ月という異例のスピードで計画、建設が進められ、1969年に全線開通しました。当初は暫定的な2車線でしたが、その後、交通量の増加に対応するため、1970年代には4車線への拡幅と立体化工事が実施されました。

道路構造：高速道路に似た一般[[国道]]

小田原厚木道路は、4車線の高架道路で、設計速度は区間によって異なります。高速道路と同様の構造を持つ一方、路肩が狭いため、制限速度は70km/hに抑えられています。平塚IC～厚木IC間は自動車専用道路に指定され、それ以外の区間も二輪車など一部車両の通行が制限されています。このため、事実上全線が自動車専用道路として機能しています。また、平塚IC～厚木IC間は、上下4車線の自動車専用道路の両側に一般道路が挟む独特の構造をしています。この一般道路はかつて国道271号の一部でしたが、2006年に国道指定が解除され、神奈川県道63号相模原大磯線の一部となっています。

料金体系：区間ごとの料金設定と割引制度

小田原厚木道路の料金は、大磯ICを境に「小田原区間」と「厚木区間」に分けられ、それぞれ均一料金が適用されます。小田原TBと平塚TBの両本線料金所で料金が徴収されます。一部区間利用の場合、区間によって料金が異なり、ETC利用による割引制度も充実しています。特定区間割引やETC短区間割引など、様々な割引が適用されるため、利用区間や時間帯を考慮して、最もお得な料金プランを選択することが可能です。

交通状況：渋滞や取締りへの注意

小田原厚木道路は、週末や休日には交通量が急増し、渋滞が発生することがあります。特に、西湘バイパスと接続する小田原西IC付近では、箱根方面への渋滞が道路にまで及ぶこともあります。また、設計が古い区間では、インターチェンジの加減速車線が短く、見通しも悪いため、安全運転に注意が必要です。さらに、高速道路のような構造にもかかわらず、制限速度が70km/hと低く設定されているため、スピード違反取り締まりが厳しく行われています。覆面パトカーによる取り締まりも多く、速度超過には十分注意が必要です。

周辺環境：アクセス道路としての役割

小田原厚木道路は、東名高速道路が通らない小田原市へのアクセス道路として重要な役割を果たしています。国道1号とほぼ平行して走り、平塚市や伊勢原市などを経由して厚木ICで東名高速道路に接続します。新東名[[高速道路]]とも立体交差していますが、直接接続はしていません。

まとめ：特殊な一般[[国道]]としての存在感

小田原厚木道路は、高速道路のような構造を持ちながら一般[[国道]]として指定されている、非常に珍しい道路です。その歴史、構造、料金体系、交通状況など、様々な特徴を持つ道路として、神奈川県の交通ネットワークにおいて重要な役割を担っています。利用する際には、交通状況や制限速度、料金体系などを事前に確認し、安全運転を心がけることが重要です。

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