山北駅

山北駅の概要

山北駅（やまきたえき）は、神奈川県足柄上郡山北町に位置する、東海旅客鉄道（JR東海）御殿場線の駅です。駅番号はCB06で、1889年（明治22年）に開業し、1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化に伴い、JR東海が運営を担当しています。この駅は山北町の中心、山北地区にあり、かつては国鉄時代の重要な拠点駅として知られていました。

鉄道の歴史と重要性

山北駅は、東海道本線が熱海駅経由での通過が困難だったことから、御殿場駅を経由するルートで建設されました。そのため、開業当初からこの場所は鉄道にとって重要な位置を占めていました。特に、補助機関車を連結するための拠点としての役割を果たし、駅周辺は賑わいを見せていました。

駅の最盛期には、650人もの従業員が駅や機関区で働いており、旅客・貨物ともに重要な取り扱いを行っていました。急行列車が停車することもあり、鮎寿司の駅弁や地元特産の山北産みかんが販売されるなど、強い地域密着型のサービスが展開されていました。しかし、1934年に丹那トンネルが開通したことにより、東海道本線のルートが変更され、山北駅の重要性は低下していきました。

駅の変遷と設備

1943年には山北機関区が廃止となり、御殿場線は単線化に移行しましたが、駅自体は利用され続けています。近年、山北駅は無人駅となりましたが、地元NPO法人と連携し、切符販売が再開されて現在に至ります。

駅は木造の駅舎を有し、島式ホームが1面2線の構造です。乗り入れた特急は通過するものの、国府津方面行きの普通列車など、地元住民の日常移動に欠かせない存在として利用されています。

利用状況

2021年度の1日平均乗車人員は451人と、一定の利用があることが確認されています。周辺にはバス路線が幾つか設けられており、西丹沢自然教室や中川温泉などの観光地へのアクセスも便利です。山北町内の循環バスも運行されているため、地域住民や観光客にとって重要な交通手段となっています。

地元との結びつき

駅の周辺には、地域活性化の一環として、SL動態化プロジェクトが進行しています。2016年には試運転が行われており、地元の観光資源としての期待が高まっています。また、山北鉄道公園では、保存されたD52形70号機が静態保存されており、訪れる人々に歴史を伝える役割を果たしています。

このように、山北駅は過去の繁栄から現在にかけて地域の交通の要所として機能し続けており、今後もその役割が重要であることが期待されています。

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