山口県立萩美術館・浦上記念館

山口県立萩美術館・浦上記念館の概要

山口県立萩美術館・浦上記念館は、山口県萩市に位置する文化的施設で、浮世絵、東洋陶磁、陶芸を専門としています。1996年10月14日に開館したこの美術館は、地元実業家浦上敏朗が収集したアートコレクションが寄贈されたことをきっかけに設立されました。2010年には、萩焼の振興を図るために陶芸館も増設され、より多様な展示が可能となりました。

美術館は、中国山東省との友好関係を基盤に、考古学や文物に関する展覧会や共同研究を行っています。これにより、日本国内だけでなく、中国でも非常に稀な形態の展覧会が実施され、貴重な文化交流の場ともなっています。さらに、2008年には、日本の陶磁に特化した公立博物館が集う「陶磁ネットワーク会議」に加盟し、陶磁に関する情報交換や研究を活発に行っています。

一般向けに発行された旅行ガイドブック「ミシュラン・グリーンガイド」では、2009年版と2011年の改訂版両方で、2つ星の観光施設に選ばれ、地域への観光促進にも貢献しています。2011年度からは、指定管理者制度を導入し、運営はサントリーパブリシティサービス株式会社によって行われています。この会社は、シンフォニア岩国の運営管理の実績も持ち、確かな管理体制を支えています。

施設の詳細

美術館内には、様々な展示室や施設があります。主なものは以下の通りです:

• - 本館展示室1〜6
• - 特選鑑賞室（浮世絵専用）
• - 茶室
• - 喫茶スペース
• - アートレファレンスコーナー
• - ミュージアムショップ
• - 講座室
• - 陶芸館展示室7〜8（陶芸専用）
• - 多目的室
• - 映像スペース
• - 駐車場（50台分）

本館は、著名な建築家丹下健三の設計により、1996年に完成しました。地下1階、地上2階の構造で、敷地面積は11,747.45平方メートル、延床面積は5,177.79平方メートルあります。また、陶芸館は金子信建築事務所によって設計され、2010年に開館しました。こちらも地下1階と地上2階を有し、敷地面積は2,514.97平方メートルです。

利用情報とアクセス

開館時間は午前9時から午後5時まで（入館は午後4時30分まで）、休館日は月曜日、年末年始、展示替え期間です。アクセスは、萩バスセンターから徒歩15分、山陰本線玉江駅より徒歩25分となっており、公共交通機関でのアクセスも容易です。また、山陰本線萩駅や東萩駅からは萩循環まぁーるバスが利用可能で、最寄りのバス停からは徒歩1分で到着します。

所蔵品の一部

美術館では、以下のような重要な所蔵品が公開されています:

• - 葛飾北斎の「風流無くてなヽくせ　遠眼鏡」
• - 喜多川歌麿の「難波屋おきた」
• - 東洲斎写楽の「三世瀬川菊之丞の田辺文蔵妻おしづ」
• - 唐時代の藍三彩 三足盤
• - 朝鮮時代の青花 月兎文 栗鼠耳角扁壺
• - 江戸時代初期の萩割高台茶碗

このように、山口県立萩美術館・浦上記念館は、地域の文化を支えながら、広範なアート体験を提供する重要な施設として機能しています。

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