岡山木村屋とは？意味をやさしく解説 - サードペディア百科事典

企業概要

株式会社岡山木村屋は、岡山県岡山市北区に本社を構える製パン会社です。その歴史は古く、大正8年（1919年）にさかのぼります。創業者の梶谷忠二氏が、修行先であった東京の木村屋總本店から正式に暖簾分けを許され、自身の故郷である岡山で事業を開始しました。

同社のコーポレートカラーは、主力商品の一つであるロールパンをイメージした茶色と黄色です。しかし、企業ロゴとして使用されている社章「丸に木」は、対照的に赤地に白抜きの文字で表示されています。

事業と特徴

事業展開の中心は岡山県内であり、同県内で圧倒的なトップシェアを占めています。その存在は「岡山のソウルフード」と呼ばれるほど、地域住民に深く浸透しており、県民にとって非常に馴染み深い企業です。また、東京・銀座木村屋からの暖簾分けとして現在も続く多くの企業の中でも、売上規模において最大を誇る企業の一つです。

主力商品と多様なラインナップ

特に代表的な商品は「クリームロール」です。特徴的なのは、中央に切れ目を入れたロールパンに、砂糖のシャリ感がほんのりと感じられるバタークリームを挟んでいる点です。このバタークリームには、バナナやコーヒーといった様々な香りが付けられており、中でも人気の高いバナナクリームやコーヒークリームは、クリーム単体でもカップ入りの商品として販売されています。

クリームロール以外にも、創業のルーツである木村屋の暖簾分け店舗ならではのあんパンなど、多数の定番商品を展開しています。さらに、常に新しい味を提供するために、毎月5種類以上の新商品を市場に投入しています。これらの新商品の中には、短期間で販売を終了するものがある一方で、「たくあんサラダロール」のようなユニークな商品が人気を集め、定番化するケースもあります。

販売ネットワーク

販売網は主に岡山県南部に集中しており、岡山表町商店街に本店を構えています。直営店は約50店舗、フランチャイズ店は約100店舗を展開し、多くの店舗が小売店と一体となった形態をとっています。

かつてはスーパーマーケット向けに、子会社であるアサヒブレッドを通じて商品の製造・販売を行っていましたが、アサヒブレッドは2021年に事業を終了しました。ただし、アサヒブレッド設立以前から取引のあった一部の地場スーパーマーケットに対しては、現在も小売店と同様の岡山木村屋ブランド製品を卸売しています。これらのスーパーマーケットでは、店舗と同じデザインの「キムラヤのパン」の看板が掲げられていることもあります。

岡山県外では、広島県福山市に1店舗の直営店があるのみです。また、岡山県北部地域では、グループ企業である「お弁当のつるや」や農業協同組合系の「Aコープ」での取り扱いが中心となっています。

その他の活動

一部の直営店（本部工場店など）や関連企業である岡山シティホテルの付属店舗では、24時間営業を実施しており、地域の利便性向上に貢献しています。

さらに、岡山県立岡山操山中学校・高等学校をはじめとする県内の一部の学校や幼稚園の食堂において、主に昼食時のパン販売を受託しており、地域の子どもたちにも親しまれています。