広島銀行

広島銀行の概要と歴史

概要

株式会社広島銀行は広島県広島市中区に本店を構える地方銀行で、通称「ひろぎん」として知られています。この銀行は、広島県および広島市の指定金融機関であり、広島県全域に56店舗を展開するほか、岡山県、愛媛県、山口県にも多数の店舗があります。また、福岡県や兵庫県にも2店舗を構えるなど、幅広いエリアでビジネスを行っています。さらに、松江市、大阪市、名古屋市、東京都にも店舗を持っています。

2018年から2021年にかけて、本店の改築工事が行われ、竣工した新店舗は地上19階、地下1階からなる高層ビルで、延床面積は約4万3,500平方メートルに及びます。この新しい本店は高さ約94メートルで、免震構造が採用され、建物の四隅には自然換気を促すエコボイドが設置されています。

沿革

前史

広島銀行の起源は1945年5月に、広島県下の5行が統合して設立された藝備銀行にあります。その前には1920年に発足した（旧）藝備銀行が存在し、さらにその源流は1897年に設立された第六十六銀行及び（旧）廣島銀行にさかのぼります。

広島銀行の発展は、特に大正期の戦後恐慌の影響を受けた銀行の合併に支えられています。昭和初期の金融危機や世界恐慌を経て、1925年から1934年にかけて県内の中小地方銀行を合併し、営業圏を拡大しました。

新藝備銀行の設立

1937年には広島県内の銀行整理が進み、唯一の銀行として藝備銀行が残ることになりました。戦時中には「一県一行」政策が導入され、県内の残る銀行が合併し、1945年に新たな藝備銀行が設立されました。このときの資本金は30,700,000円で、本店は旧藝備銀行の本店地に設けられました。

原爆被災と戦後の復興

しかし、設立後まもなくして、1945年8月6日の原爆投下により本店を含む8店舗が全焼し、144名の職員が命を落としました。爆心地近くに位置していた本店は、外見は残ったものの内部は全焼し、わずか2日後に仮営業所を設けたことでも復興に向けた道を開きました。1949年には本店の復旧工事が始まり、1950年に商号を廣島銀行に変更しました。

1960年代から現在まで

1961年に広島証券取引所に上場を果たし、1965年には2代目の本店が完成しました。1978年には創業100周年を記念して美術館を開館し、1988年には再び商号を広島銀行に改め、新しいロゴも導入しました。近年では、他銀行との提携を活かしつつ、デジタルバンキングなどの新たなサービスとも連携しています。また、2021年には新本店が完成し、耐震性を強化しながらも地域経済に貢献し続けています。

年表

広島銀行は多くの他行の統合を経て成長を遂げてきました。1878年に設立された第六十六国立銀行に始まり、1920年には旧藝備銀行が創設され、1945年には新しい藝備銀行が誕生しました。その後の歴史は、合併や改称、そして原爆被災の試練を乗り越え、現在の広島銀行の姿に至るまでの道のりを示しています。

今後も地域に密着しながら信頼される銀行として発展し続けることでしょう。

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