広田駅

広田駅：会津地方のローカル駅の歴史と現状

広田駅は、福島県会津若松市河東町に位置するJR東日本磐越西線の駅です。1899年、岩越鉄道の開通と同時に開業し、以来、地域の重要な交通拠点として機能してきました。駅舎は幾度かの改築を経て、2008年には火災による焼失を乗り越え、現在の和風建築の駅舎が誕生しています。

歴史を彩る軌跡

明治32年、岩越鉄道山潟～会津若松間の開通と共に、広田駅は一般駅として歴史の幕を開けました。その後、明治39年には国有化、昭和14年には駅舎の改築が行われています。昭和57年には車扱貨物の取り扱いが廃止され、昭和58年には荷物の取り扱いが全面的に廃止となりました。国鉄分割民営化後の平成19年には貨物列車の運行が終了。そして平成20年には火災で半焼した旧駅舎の代わりに、現在の新駅舎が完成しました。令和6年にはえきねっとQチケのサービスが開始されるなど、現代のニーズにも対応した駅へと進化を遂げています。

駅舎の変遷と現在の姿

広田駅の駅舎は、歴史を反映するように幾多の変遷を遂げてきました。かつては有人駅として木造の駅舎が使用されていましたが、平成19年の火災により半焼。火災前は、事務室が「まちの駅 河東」として活用され、自動券売機も設置されていました。しかし火災により、倉庫やホーム側の雁木、信号設備などが焼失しました。現在の駅舎は、平成20年に完成した鉄骨平屋建ての建物で、床面積は85平方メートル。会津地方の伝統的な様式を取り入れた和風建築となっており、無人駅であることを考慮し、視認性を高めるために多くの窓が配置されています。建設費は約3,000万円でした。

駅構造と設備

広田駅は相対式ホーム2面2線を有する地上駅です。かつては2面3線のホーム構造でしたが、現在は1面が使用されていません。ホーム間は構内踏切で連絡されており、無人駅であるため、利用者は自由にホーム間を移動できます。あいづ統括センター（会津若松駅）の管理下にあり、駅員は常駐していません。

貨物輸送の変遷

開業当初は貨物輸送も盛んに行われていましたが、時代とともに貨物輸送の需要は減少していきました。現在は、JR貨物の駅として、車扱貨物の臨時取扱駅となっています。しかし、貨物列車の発着はなく、貨物設備や専用線もありません。かつては、住友大阪セメントや三菱製鋼の専用線が接続していましたが、現在は廃止されています。

利用状況と周辺環境

広田駅は旧河沼郡河東町の中心部に位置し、駅前は住宅地となっています。小さな駅前広場も整備されており、地域の生活拠点として機能しています。バス路線も充実しており、会津乗合自動車の河東・湊線、米代・河東線が乗り入れています。隣の駅は東長原駅と会津若松駅で、磐越西線の快速「あいづ」の一部列車と普通列車が停車します。

まとめ

広田駅は、長年にわたる歴史と変化を刻んできた、会津地方を代表するローカル駅です。歴史ある駅舎の跡や、地域の生活を支える現在の姿を通して、日本の地方鉄道の変遷を垣間見ることができるでしょう。

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