会津乗合自動車

会津乗合自動車株式会社（会津バス）

会津乗合自動車株式会社、通称会津バスは、福島県会津若松市に本社を構え、バス・タクシー事業を展開する企業です。会津地方を網羅する路線バスは、地域住民の生活を支える重要な足として機能しています。また、会津若松市や西会津町などの自治体からコミュニティバスの運行を受託し、地域公共交通の維持に貢献しています。

2013年からは経営共創基盤（みちのりホールディングス）の傘下に入り、福島県内では福島交通に次いで2社目のグループ入りを果たしました。これにより、経営基盤の強化と更なる事業展開が期待されています。

歴史

会津バスの歴史は、戦時下の1943年に遡ります。戦時統合により、会津合同乗合自動車などの路線を譲り受け、現在の路線網の基礎が築かれました。

1943年3月21日：設立
1943年6月15日：会津合同乗合自動車等より路線譲受
1943年12月13日：喜阪自動車他より路線譲受、現在の路線網が確定
1953年12月：東武鉄道から会津田島 - 鬼怒川温泉駅間のバス路線を継承
1969年7月10日：「会津若松 - 郡山 - 平線」が特急として運行開始（福島交通、常磐交通自動車と共同運行）
1987年10月9日：野岩鉄道会津鬼怒川線開業に伴い、会津田島 - 鬼怒川温泉駅間のバス路線を廃止
1996年1月20日：「会津若松 - 郡山 - 平線」が磐越道経由の高速バスとして運行開始
1996年3月22日：福島交通と共同で高速バス「福島 - 会津若松線」運行開始
1996年5月24日：会津田島駅 - 尾瀬沼山峠間で蓄圧式ハイブリッドバス運行開始
1997年10月2日：新潟交通と共同で高速バス「会津若松 - 新潟線」運行開始
1998年7月25日：JRバス東北と共同で高速バス「仙台 - 会津若松線」運行開始
1999年12月10日：JRバス関東と共同で高速バス「夢街道会津号」運行開始
2001年7月1日：まちなか周遊バス「ハイカラさん」運行開始（委託）
2002年4月1日：西会津町内8路線を廃止し、町民バスの運行を開始（委託）
2003年4月1日：喜多方駅 - 大塩間の路線を廃止、磐梯東都バスが代替運行を開始
2005年10月3日：運行系統の削減方針を決定
2006年10月1日：路線の大幅な廃止・統廃合、市内循環バス・地域巡回バスの新設
2007年4月1日：第2次路線廃止、只見町から撤退
2007年10月1日：会津美里町内の一部路線を廃止し、美里あいあいタクシーサービスへ移行
2009年4月1日：「病院循環バス ひまわりくん」を新設、市内循環バスを減便、一部路線を廃止
2009年10月1日：会津タクシー株式会社と事業合併
2010年12月2日：企業再生支援機構からの支援決定
2011年9月1日：猪苗代営業所を閉鎖し、管内全路線を廃止（一部は磐梯東都バスへ移譲）
2011年10月1日：市内循環バスを再編
2012年4月1日：会津坂下町管内の路線バスを増設・通年化
2012年8月24日：「八重の桜」ラッピングバス運行開始
2012年9月1日：「会津若松 - 大内宿 - 新白河線」を期間限定で運行開始
2012年9月30日：一部路線を廃止
2013年1月12日：定期観光バス「八重のゆかり号」「戊辰の軌跡号」運行開始
2013年4月6日：「会津若松 - 大内宿 - 白河線」を再開（期間限定）
2013年8月2日：地域経済活性化支援機構が保有する全株式を経営共創基盤に譲渡
2013年8月30日：経営共創基盤の100%子会社となる
2016年11月14日：福島 - 会津若松線の一部を仙台空港まで延伸
2019年1月12日：電気バスを導入し、会津若松市内および尾瀬で運行
2022年5月1日：喜多方・裏磐梯線の運行を磐梯東都バスから引き継ぎ
2023年10月1日：磐梯東都バスの路線バス事業撤退に伴い、全4路線を継承
2024年1月31日：芦ノ牧温泉・丸峰観光ホテルの株式を100％取得し、完全子会社化
2024年7月27日：路線バスでICカード「AIZU NORUCA」のサービスを開始
2024年9月11日：路線バスでクレジットカード等のタッチ決済の利用を開始
2025年2月5日：WAONなどの電子マネーの利用を開始

本社・営業所

会津バスは、会津若松市に本社を置き、会津地方各地に営業所や車庫を展開しています。

本社兼若松営業所：会津若松市白虎町195
芦の牧車庫：会津若松市大戸町芦ノ牧
川口車庫：大沼郡金山町川口金洗道下1498-2
喜多方営業所：喜多方市町田8285-1
田島営業所：南会津郡南会津町中荒井油燈下108-1
野沢営業所：耶麻郡西会津町野沢下小屋乙3178-5
坂下営業所：河沼郡会津坂下町大道2408
本郷車庫：大沼郡会津美里町山道下
山口派出所：南会津郡南会津町山口村上825-1
郡山湖南営業所：郡山市湖南町福良町浦83-1
* 猪苗代営業所：耶麻郡猪苗代町大字千代田字柳田63（閉鎖）

路線

会津バスは、会津地方を中心に、高速バス、長距離路線、一般路線を運行しています。会津若松市内、会津美里町方面、喜多方市・湯川村・会津坂下町方面、郡山市湖南地区方面、南会津町・下郷町・檜枝岐村方面、金山町・昭和村方面など、地域に密着した路線網を展開しています。

高速路線としては、会津若松と郡山、いわき、仙台、新潟、東京などを結ぶ路線があります。一般路線は、会津若松市内を中心に、周辺町村を結ぶ路線が多数運行されています。また、各自治体からの委託により、コミュニティバスの運行も行っています。

車両

会津バスの車両は、日野自動車、いすゞ自動車、日産ディーゼル（現UDトラックス）製が中心です。近年では、三菱ふそう製の車両も導入されています。

高速バス車両は、みちのりグループ共通デザイン「みちのりエクスプレス (MEX) 」カラーへの切り替えが進んでいます。これは、建築家・川西康之氏がデザインしたもので、オレンジとシャンパンゴールドの組み合わせが特徴的です。

タクシー事業

会津バスは、会津タクシー株式会社を通じてタクシー事業も展開しています。

関連会社

会津バスグループには、旅行業、自動車整備業、人材派遣業、保険業などを手がける関連会社があります。

その他

かつて東武鉄道との関係が深く、登記上の本店が東武鉄道本社と同じ場所にあった時期もありました。また、路線バスの車内放送は、フリーアナウンサーの大橋照子氏が担当しています（受託運行路線を除く）。

会津バスは、地域公共交通の担い手として、これからも会津地方の発展に貢献していきます。

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