建穂寺

建穂寺の紹介

静岡県静岡市葵区建穂に位置する建穂寺（たきょうじ）は、真言宗に属する寺院であり、山号は瑞祥山です。この寺院は、駿河一国三十三観音の第15番霊場としても知られています。特に、本尊は千手観音で、これは秘仏として多くの信者に崇拝されていますが、毎年8月に限って公開されるため、訪れることができる貴重な機会となっています。建穂寺は建穂公民館の隣に位置し、地域の文化的な中心地としても機能しています。

歴史的背景

建穂寺は白鳳期（654年から669年）に道昭によって開基されました。この時期、日本各地で仏教が広まり、多くの寺院が建立されました。寺院の歴史は長く、特に江戸時代には、徳川家康から480石の朱印を受けたとされています。これは、寺院が当時の権力者から特別な認可を受けていたことを示しています。

しかし、1870年（明治3年）には火災に見舞われ、寺院の多くが焼失してしまいました。幸いにも、1975年には建穂町内会の協力のもと、現在の観音堂が再建されました。再建時には、家康から賜った朱印状も飾られており、訪れる人々にその歴史を感じさせてくれます。

文化財について

建穂寺には、いくつかの重要な文化財が所蔵されています。中でも、県指定文化財に指定されている不動明王立像や、市指定文化財の木造阿弥陀如来坐像、木造伝大日如来坐像、木造伝阿弥陀如来坐像は特に注目される存在です。さらに、千手観音やその周囲の二十八部衆も存在し、これらは寺院の信仰を代表する重要な像となっています。

御朱印の取り扱い

建穂寺の御朱印は、建穂町内会が持ち回りで管理されています。御朱印を希望する場合は、電話で担当者に連絡を取ることで、押印や拝観が可能になります。これにより、地域の信仰心を直接感じることができます。

アクセス

建穂寺は国道一号線のバイパス、羽鳥インターチェンジから車で約5分の距離に位置しています。訪れる際には、建穂公民館の駐車場を利用することができ、大変便利です。

結論

建穂寺は、その歴史と文化的な価値を持つ、静岡市内でも重要な寺院の一つです。秘仏の千手観音や数多くの文化財が存在し、地域の信仰の中心として多くの人々に愛されています。静岡市を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってその魅力を体感してみてはいかがでしょうか。

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