徳島県立図書館

徳島県立図書館：地域文化を支える知識の殿堂

徳島県立図書館は、徳島県徳島市郊外に位置する、緑豊かな徳島県文化の森総合公園内にあります。都道府県立図書館の中でも、県民一人当たりの貸出冊数が非常に多く、地域住民に広く愛されている図書館です。

充実した施設と豊富な蔵書

鉄骨鉄筋コンクリート造りの3階建て建物は、延床面積8,989㎡を誇り、約120万冊もの蔵書を収蔵できる能力を備えています。

1階には書庫があり、2階には一般資料コーナー、郷土資料コーナー、児童資料室など、多様なニーズに対応した閲覧室が設けられています。 参考資料や、子ども向けのコーナーも充実しており、幅広い年齢層が利用しやすい環境です。 特に郷土資料コーナーには、徳島県の歴史や文化に関する貴重な資料が数多く収蔵されています。 また、閲覧室には、静かに読書に集中できるスペースに加え、グループでの利用にも適したブラウジングコーナーも用意されています。

3階には、講演会や会議などにも利用可能な集会室があります。屋外には「知識の森」と呼ばれる緑地が広がり、自然に囲まれた環境で読書を楽しむこともできます。

阿波国文庫：歴史的遺産の継承

徳島県立図書館には、阿波藩主・蜂須賀氏が所蔵していた「阿波国文庫」の一部が収蔵されています。この文庫は、儒学者柴野栗山や国学者屋代弘賢らのコレクションを受け継いだもので、かつては5万～6万冊もの典籍を擁していたと言われています。

明治維新後、阿波国文庫の蔵書の一部は徳島師範学校を経て、現在の徳島県立図書館へと移管されました。太平洋戦争中の空襲で多くの資料が焼失するも、再建され、現在では94点518冊が大切に保管・公開されています。

阿波国文庫には、江戸時代の貴重な文献資料が含まれており、徳島県、ひいては日本の歴史や文化を研究する上で重要な資料となっています。 有名な浮世絵師、東洲斎写楽に関する資料も含まれており、写楽の正体に関する研究においても重要な役割を担っています。写楽が阿波藩にゆかりのある人物であったという説も存在しており、この文庫に関連する資料が研究に役立っています。

アクセスと開館時間

JR徳島駅からバスで約25分、「文化の森」バス停下車です。 車での来館も可能で、図書館には広い駐車場が完備されています。

開館時間は、火曜日から金曜日までは9時30分から19時まで、土曜日、日曜日、祝日(休)日は9時30分から17時までです。休館日は月曜日、第3木曜日（祝日または振替休日の場合は翌日）、年末年始（12月29日～1月4日）、特別整理期間です。

まとめ

徳島県立図書館は、充実した蔵書、快適な閲覧環境、そして貴重な歴史的資料を有する、地域社会にとってかけがえのない存在です。 多くの人々が訪れ、読書や学習、そして地域文化の交流を深める場所として、今後も重要な役割を担っていくでしょう。

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