志田延義賞

志田延義賞について

志田延義賞は、日本歌謡学会の名誉顧問を務めた志田延義氏の功績を記念し、1983年に創設された学術賞です。この賞は、歌謡および歌謡に関連する広範な領域における調査、採集、研究を促進することを目的としています。

毎年、前年度に出版された歌謡関係の出版物の中から、特に優れた業績を収めた出版物が選定され、その著者に贈られます。選考は、学術的な価値だけでなく、歌謡研究の発展に寄与する独創性や貢献度も重視されます。

受賞対象となる分野

志田延義賞は、日本の伝統的な歌謡から近現代の歌謡まで、幅広い分野を対象としています。具体的には、以下のような分野における研究が評価の対象となります。

古代歌謡
中世歌謡
近世歌謡
民謡
現代歌謡
歌謡と関連する芸能
歌謡の歴史、文化、社会学的研究

歴代受賞者

以下に、これまでの主な受賞者と受賞作品を記します。

第1回（1983年度）
真鍋昌弘『中世近世歌謡の研究』
内田るり子『奄美民謡とその周辺』
第2回（1984年度）
外村南都子　早歌に関する研究業績
第3回（1985年度）
成田守『奥浄瑠璃の研究』、『筑前盲僧の伝承』
第5回（1987年度）
宮岡薫『古代歌謡の構造』
馬場光子『今様のこころとことば「梁塵秘抄」の世界』
第6回（1988年度）
鳥居フミ子・土佐浄瑠璃に関する研究業績
第8回（1990年度）
西沢爽『日本近代歌謡史』
第10回（1992年度）
池田廣司『狂言歌謡研究集成』
須藤豊彦『日本民俗歌謡の研究』
第11回（1993年度）
外村久江・外村南都子『早歌全詞章』
第12回（1994年度）
井出幸男『中世歌謡の史的研究　室町小歌の時代』
鈴木佐内『仏教歌謡研究』
第13回（1995年度）
小野恭靖『中世歌謡の文学的研究』
第14回（1996年度）
平賀禮子『御船歌の研究』
第17回（1999年度）
青柳隆志『日本朗詠史　研究編』
狩俣恵一『南島歌謡の研究』
第19回（2001年度）
植木朝子『梁塵秘抄とその周縁―今様と和歌・説話・物語の交流―』
第20回（2002年度）
居駒永幸『古代の歌と叙事文芸史』
第23回（2005年度）
沖本幸子『今様の時代―変容する宮廷芸能―』
野川美穂子『地歌における曲種の生成』
第24回（2006年度）
長野隆之『語られる民謡　歌の「場」の民俗学』
第25回（2007年度）
藤原享和『古代宮廷儀礼と歌謡』
飯島一彦『古代歌謡の終焉と変容』
清水眞澄『音声表現思想史の基礎的研究　信仰・学問・支配構造の連関』
第29回（2011年度）
永池健二『逸脱の唱声―歌謡の精神史―』
第30回（2012年度）
末次智『琉球宮廷歌謡論―首里城の時空から―』
中田幸司『平安宮廷文学と歌謡』
第31回（2013年度）
中本真人『宮廷御神楽芸能史』
第32回（2014年度）
縄手聖子『今様のなかの〈表象〉』
第33回（2015年度）
工藤隆『歌垣の世界　歌垣文化圏の中の日本』
第34回（2016年度）
烏谷知子『上代文学の伝承と表現』
第35回（2017年度）
辻浩和『中世の〈遊女〉　生業と身分』
第38回（2020年度）
遠藤耕太郎『万葉集の起源　東アジアに息づく抒情の系譜』
第39回（2021年度）
藤原彰子『歌謡を書く　古代歌謡から江戸小歌まで』

志田延義賞の意義

志田延義賞は、日本の歌謡研究において非常に重要な役割を果たしています。この賞の存在は、研究者たちのモチベーションを高め、歌謡研究のさらなる発展を促進する原動力となっています。また、受賞作品は、歌謡研究の最先端を示すものであり、後進の研究者にとって貴重な指針となります。

外部リンク

* 日本歌謡学会

志田延義賞は、歌謡研究の進歩に大きく貢献する賞として、今後もその役割が期待されています。

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