打撃妨害

打撃妨害について

打撃妨害（だげきぼうがい）は、野球における規則の一つで、守備側が打者の打撃行為を妨害した際に、打者に対して一塁を与える仕組みです。この規則は、試合の公正さを保つために設けられています。

概要

通常、打撃妨害は捕手が打者やそのバットに接触することで発生することが多いですが、内野手が打撃を妨げた場合にも適用されます。例えば、一塁手が前進守備を行った結果、送りバントを阻止した場合などが該当します。打撃妨害が宣告されると、打者は打席を終えたと見なされますが、打数にはカウントされません。また、打撃妨害を引き起こした野手には失策が記録されます。英語圏では、打撃妨害は「interference」として一般的に知られています。投手が打者に対して行う妨害行為—例えば、ロジンバッグを扱うこと—は打撃妨害とはみなされず、反則投球になります。

打撃妨害が宣告される条件

打撃妨害が成立するためには、以下のような状況があげられます。

• - 捕手が打者またはそのバットに触れる（ミットやその他の野球具を含む）
• - 捕手がボールを持っていない状態で本塁に出てくる
• - 打者が打つ前に、捕手・野手が投球を捕球した場合

このような条件がそろった場合、審判は「打撃妨害」と宣告し、必要に応じてボールデッドとしてプレーを停止します。

処置の流れ

打撃妨害が発生した場合の処理は、プレイが継続したかどうかによって異なります。プレイが続かなかった場合、以下の手順が取られます。
1. 審判が打撃妨害を宣告し、タイムをかけてボールデッドにします。
2. 打者には一塁が与えられ、他の走者も条件に応じて進塁します。

逆に、プレイが続いた場合には、打者や走者が進塁した際にはそのままプレイが続行されます。ただし、進塁宿命がない走者がいると、通常の打撃妨害に基づく処理が行われます。攻撃側の監督は、プレイの結果を活かすための選択権も持っています。

打撃妨害が発生しやすい選手

特定の打者が打撃妨害を多く受ける傾向があります。例えば、中日ドラゴンズの中利夫選手や、米国のピート・ローズ選手など、強いバットコントロールを持つ打者が多く対象になります。打撃妨害はバットと捕手のミットの接触によるもので、基本的には多くの打席に立つ選手に多発します。日本プロ野球では、通算2000本安打を達成した選手の中でも、たびたび打撃妨害が記録される例が見られます。

例

打撃妨害を巡る事例として、日本プロ野球におけるサヨナラ打撃妨害の記録があります。1964年、東京オリオンズ対阪急ブレーブス戦では、三塁走者がホームスチールを狙う際に、打者のバットが捕手のミットに触れ、打撃妨害が宣告されました。その結果、三塁走者が得点し、サヨナラゲームとなりました。

打撃妨害は試合中の多くの場面で重要な役割を果たし、選手や監督にとって戦術上の要素ともなっています。これを理解することが、野球の巧妙なプレイを楽しむ大きな要因となるでしょう。

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