投げ銭

投銭（なげせん）とは

投銭（なげせん、とうせん、なげぜに）とは、元々は貨幣を投げる行為を指し、そこから金銭を与えること、特に大道芸人や乞食に対して見物人や通行人が銭を投げ与える行為を意味するようになりました。近年では、インターネットを通じてコンテンツ配信者へ送金・寄付する「ネット投銭」という形も生まれています。

願掛けとしての投銭

願掛けのために投銭を行う習慣は、世界各地で見られます。

トレヴィの泉: ローマにある有名な泉。後ろ向きにコインを投げ入れると願いが叶うと言われています。
願いの泉: コロンビアのモンセラーテの丘にある井戸。後ろ向きにコインを投げ、鉄の輪に入ると願いが叶うとされています。
* 中国人の投銭: 中国では、幸運を願って池などに小銭を投げ入れる習慣があります。しかし、観光地での無許可の投銭が問題になることもありました。飛行機のエンジンに小銭を投げ込む事例も発生しており、安全上の問題や損害賠償に発展するケースもあります。

投げ与える銭

古くから、乞食に金銭を投げ与える行為は「投銭」と呼ばれました。これは「お恵み」の一つの形です。大道芸人やストリートミュージシャンへの投銭は、彼らのパフォーマンスへの対価という意味合いを持ちます。一方、日本の演芸の世界で行われる「御捻り」は、神仏への供物に起源を持ち、意味合いが異なります。

散餅銭の儀

上棟式や神事の際に、集まった人々へ餅と一緒に小銭をまく行事があります。葬儀の際に銭や餅を入れ落としながら葬列する風習も存在します。

ネット投銭

インターネット上での「投げ銭」は、ウェブコンテンツの制作者や配信者に対して、利用者が金銭を寄付できるサービス・機能です。金額は利用者が自由に決められ、少額から可能です。このシステムは、クリエイターへの支援として広まっています。

しかし、ネット投げ銭を巡る問題も発生しています。未成年者が高額の投げ銭をしてしまったり、投げ銭をすると景品が当たるといった詐欺事件も報告されています。また、ライバーが投げ銭の特典として個人的な接触を謳うケースもあり、問題視されています。

Ch-OMUSUBI（おむすびチャンネル）のように、難民が作成した動画に対して投げ銭を仲介するプラットフォームも存在し、新たな支援の形を模索しています。

その他の投銭

銭形平次

時代劇『銭形平次捕物控』では、主人公の銭形平次が、悪人を捕らえるために寛永通宝を投げる必殺技「投げ銭」を使っていました。

ファイナルファンタジー

ロールプレイングゲーム『ファイナルファンタジーV』には、「ぜになげ」というアビリティが登場します。これは、ゲーム内通貨であるギルを消費して敵にダメージを与える技で、シリーズの人気要素の一つとなっています。

投銭は、時代や文化によって様々な形を変えながら、人々のコミュニケーションや支援の手段として存在し続けています。

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